1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570663
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
神吉 豊 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40169785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 伸一 京都府立医科大学, 医学部, 助手
野一色 泰晴 岡山大学, 医学部付属環境病態研究施設外科, 助手
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Keywords | 小口径代用血管 / 生体材料 / 抗原性 / 免疫原性 / 力学特性 / 大変形理論 / stress-strain curve / ヘパリン化 |
Research Abstract |
昭和63年度では、架橋時間と免疫原性の関係から、glycerol polyglycidyl ether(GPE)で48時間架橋した血管はglutaraldehyde(GA)で架橋した血管と同様に免疫原性が低下していること、また架橋時間と強度の関係からは、GPEで48時間架橋した血管はGAで48時間架橋した血管と比較して、最大応力では差が無かったものの、約3倍の柔軟性をもち、力学的にもっとも優れていることが明らかとなった。PC架橋血管の抗血栓性賦与の方法として、まずプロタミンと材料の血管とをPCで共有結合させ、さらに、反応したプロミタミンにヘパリンをイオン結合させるという従来のヘパリン化法を用いた。本方法では術後100日目でも微量ながらヘパリンが徐放され、雑種成犬40頭(80本)を用いた植え込み実験では、77/80と優れた開存を示した。しかし、本方法では10数時間と非常に長いため、迅速に抗血栓性を賦与する方法として、プロタミンと材料の血管の反応にGAを用いる方法を考案した。平成元年度では新しいヘパリン化の方法を中心研究を進めた。本法ではGAは血管内面の表層部のみにとどまるため、GAの持つ細胞毒性は血管全体に及ばず、治癒力を妨げることはなく、迅速に抗血栓性を賦与する方法で、結合織人工血管やあるいは血栓内膜摘除後の抗血栓性賦与など応用範囲の広い優れた方法であるといえる。しかしながら、一旦PC架橋した血管に対して、本法がどの程度までヘパリン化が可能かあるいはその徐放性等については今後の課題である。
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[Publications] Yuichiro Murayama et al.: "Mechanical Properties and Immunogenicity of Vascular Xenografts." Vascular Surgery.
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[Publications] Shinichi Satoh et al.: "An Autologous Connective Tissue Tube with High Hialing Ability as a Small Diameter Vascular Substitute with Temporary Anti throbogenieity." Trans.A.S.A.I.O.35. 184-187 (1989)
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[Publications] 村山祐一郎: "大変形理論を用いた人工血管の力学特性の解析" 人工臓器. 18. 269-273 (1989)
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[Publications] 丹生智史: "浅大腿動脈領域の閉塞性動脈硬化症に対する体外での血栓内膜摘除と抗血栓賦与" 日本心臓血管外科学会雑誌. 19. 442-443 (1989)