1988 Fiscal Year Annual Research Report
サルの実験的半側顔面痙攣モデル作成の試みと顔面痙攣の発現機構に関する 生理学的検討
Project/Area Number |
63570676
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
永関 慶重 山梨医科大学, 医学部脳神経外科, 助手 (80172534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀越 徹 山梨医科大学, 医学部脳神経外科, 助手 (50209300)
深町 彰 山梨医科大学, 医学部脳神経外科, 助教授 (60008555)
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Keywords | 半側顔面痙攣 / 三叉神経痛 / 神経血管減圧術 / 異常活動電位 / 実験的モデル |
Research Abstract |
ヒトの三叉神経痛及び半側顔面痙攣の治療法は神経血管減圧術にて確立されたが、その発現機構を解明すべく我々は現在臨床的に神経血管減圧術中のroot exit zoneにおける異常活動電位のmonitoringを行い、術中に顔面筋電図と同期する活動電位を既に記録している。この異常活動電位の起源を求めるには臨床的には困難なため、ヒトの顔面神経への血管圧迫の機序に相当すると考えられるモデルを実験的にサルに作製することを試みた。ケタラール麻酔下に脳定位固定装置にサル(4-5kg)を固定し、居所麻酔下に一側後頭下開頭を行い今回購入した手術用顕微鏡下に脳箆を用いて小脳を内上方へretractし今回の補助により購入した血管ゾンデ、マイクロ手術剪刀及びマイクロピンセットを用いて小脳橋角部を露出した。脳幹の橋より出た顔面神経は錐体骨底面と殆ど間隙を有さないが、骨底面には神経の走行に沿って溝がありnerve fookを用いてこれを神経損傷を来さぬ程度に上方へ持ち上げ、この溝に直行し橋渡しする形で神経と骨の間にsilicon tube(径1mm)を挿入し断端を錐体骨にBiobondにて固定した。小脳及び脳幹の拍動により顔面神経が、挿入されたsilicon tubeと共に拍動する様子が観察された。半覚醒状態でサルの瞬目に一致する顔面表面筋電図を既に購入されているVC-10 slave monitorにて記録し、更に臨床的に実験に使用しているものと同じ双極電極にて顔面神経の脳幹からの出口より活動電位を同時記録してcontrolとした。創部を閉頭した後、ビデオカメラにてサルの顔面の状態を記録した。同様な手技を2匹のサルに施行し現在4ヶ月及び2ヶ月経過しているが、手術操作による顔面神経麻痺等の神経脱落徴候あるいは感染などの合併症は認められていない。また、これらサルの顔面の状態を表面筋電図及びビデオカメラにて経時的に記録しているが未だ顔面痙攣の発現は認められていない。今後更に経時的観察を行っていく。
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Research Products
(2 results)