1988 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性高脂血ウサギ(WHHL-rabbit)の頸動脈・脳動脈内膜肥厚病変の検索
Project/Area Number |
63570689
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
溝上 徹 東邦大学, 医学部, 助手 (00157520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠井 敬一郎 東邦大学, 医学部, 助手 (60183258)
鮫島 寛次 東邦大学, 医学部, 助教授 (70057636)
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Keywords | WHHL rabbit / Carotid arteries / Intimal thickening / Atherosclerosis |
Research Abstract |
WHHL rabbitの2ヶ月令から68ヶ月令、雄17、雌20の計37匹につき検索した。これらを経時的にコレステロール(TC)とトリグリセライドを経時的に測定し頸動脈の病変を検索した。適当な月令に達した兎は頸動脈を採取し10%ホルマリン液で固定し大動脈分岐附近、内頸外頸動脈分岐前、分岐部、分岐後5〜6mmの4ヶ所を横断し病理組織標本を作製した。病理組織標本の狭窄率は内膜肥厚面積(IT)内強性板内側面積(EI)を求めIT/EIをその切片の狭窄率として表し、25%未満、50%未満、75%未満、75%以上をそれぞれ(+)〜(++++)の4段階に分けた。[成績]1.血中脂質の変化:1ヶ月令におけるTC値は755.70±132.31mg/dl.、TG値は468.97±190.98、6ヶ月令のTC値は816.61±162±162.74、TG値は443.33±221.98、12ヶ月令ではTC値は580.88±153.72、TG値が287.20±104.38であった。それ以後例数は減少するが、TC、TGとも横ばい傾向にあり、最高値は1〜6ヶ月令にあった。2.頸動脈の狭窄度:内膜肥厚病変は37例計74本中36例、61本(82.4%)に認められた。36例のうち(++++)の狭窄率を示したものは11例、(+++)は7例、以下(++)は5例、(+)は13例であり、早くも2ヶ月令にて、内外頸動脈分岐部内膜肥厚病変か認められた。(++)以上の中高度の病変を示したものは1〜4ヶ月の幼令期、5〜7ヶ月の若令期には認められず、8〜12ヶ月令の成熟期で33%、13〜24ヶ月の中令期で77%、25ヶ月令以上の高令期で100%に認められた。また40ヶ月令を過ぎた3例では全例両側全切片に内膜病変が出現していた。
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