1989 Fiscal Year Final Research Report Summary
遺伝性高脂血ウサギ(WHHL-rabbit)の頸動脈・脳動脈内膜肥原病変の検索
Project/Area Number |
63570689
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Toho University, School of Medicine |
Principal Investigator |
溝上 徹 東邦大学, 医学部, 助手 (00157520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠井 敬一郎 東邦大学, 医学部, 助手 (60183258)
鮫島 寛次 東邦大学, 医学部, 助教授 (70057636)
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Project Period (FY) |
1989 – 1990
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Keywords | WHHL rabbit / Carotid arteries / Intimal thickening / Atherosclerosis |
Research Abstract |
WHHLrabbit頸動脈の病理組織学的変化は、内膜肥厚病変を認めた11本のうち52本(91.2%)は内頸脈分岐部に内膜肥厚がみられた。これを1本の頸動脈を先に述べた4部位について切片を検討したところ、74本281切片(15切片は不適当)において内膜肥厚部位は106切片となり、その内訳は総頸動脈33、分岐部52、内外頸動脈21となりこれを50%以上の狭窄率にしぼると総頸動脈19、分岐部23、内外頚動脈9であった。 形態学的変化は、細胞線維性内膜肥厚が主体であった。2ケ月令にて泡沫細胞が認められ内皮直下に平滑筋細胞が認められ、5ケ月令にて石灰沈着がみられ8ケ月令にてコレステリン結晶を認めている。しかし全体的に泡沫細胞郡の壊死性変化による所謂、細胞崩壊型アテロ-ムは少なく膠原線維の脂肪性膨化による,線維崩壊型アテロ-ムが粥状硬化の主体を占めていたが、両者が同時に混在する混合型もしばしば認められた。しかし内膜肥厚が大きく、またその範囲の広いものほど後者による要素が強い傾向がみられた。 また、内弾性板の窓を通って中膜の平滑細胞が内膜に侵入する所見も認められたが高度に内膜肥厚したものに中膜全体の厚さが減少し筋細胞の萎縮を認めたが、比較的内弾性板は保たれ内膜変化に比べ中膜変化は比較的少なかった。 つぎに血管壁全層に切開を加え再縫合し、その部の病理学組織学的変化を追跡する目的で6匹のWHHLrabbitの総頸動脈に長さ2mmの縦切開を加え2ケ月、4ケ月後に標本を採取しているが、肉眼的に一部肥厚をみとめた例でも吻合部の一部内膜の弾性線維の増生、結合織の変化がみられたが弾性板断裂部の瘉合や再生はみられなかった。
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