1990 Fiscal Year Annual Research Report
骨軟部悪性腫瘍における原因遺伝子の解析とその臨床応用に関する研究
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63570699
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内田 淳正 大阪大学, 医学部, 講師 (40176681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 啓郎 大阪大学, 医学部, 教授 (70028330)
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Keywords | 骨軟部悪性腫瘍 / 遺伝子異常 / 骨肉腫 / レチブラスト-マ遺伝子 / cーfos |
Research Abstract |
昨年度までの研究成果に加え、今年度は下記の点で成果がみられた。 1.昭和63年より行われている手術時摘出腫瘍標本のDNA、RNA抽出及びヌ-ドマウスを用いた腫瘍の移植継代は順調に続いている。特に、確立された細胞株の小ない軟骨肉腫について現在、約20代までpassageされた軟骨形質を保った肉腫細胞及び腫瘍株が移植継代されている。この腫瘍細胞株で染色体解析による異常は同定されていないが、今後さらに各種のProbeを用い、軟骨肉腫の発症に関する遺伝子異常の同定に用いることが可能である。また、軟骨肉腫のモデルとしても非常に利用価値の高いものである。 2.臨床デ-タとの相関についてはfos gene expreisonの強さと悪性度との関与及び肺転移を生じるまでの期間において相関がみられた。さらに症例を増す必要がある。 3.今年度よりPCRを用いた遺伝子異常の検索も始めている。PCRはTargetとなるDNA、RNAが少量ですむことより微小な量しか得られないbiopsy時のsampleでも解析可能で今後当分野においては活用が期待される。 現在p53 geneについて解析中であるがhot spot regionにおいて正常Targetに比し、少し長いrearrangementのある症例が発見された。さらに他の領域をcoverするPrimerも用いて検討する。さらにPCR法はReverse Transcriptaseと組み合わせることにより少量のsampleからのRNAでも目的のgeneの発現の有無を検索できる。このRTーPCR法は、現在はまだ条件設定中であるが、今後大いに活用できる見込である。
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[Publications] 荒木 信人,内田 淳正ほか: "骨・軟部悪性腫瘍診断における分子生物学の応用" 別冊整形外科. 18. 190-194 (1990)
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[Publications] N.Araki,A.Uchida,et al.: "Involvement of the Retinoblastoma Gene in Primary Osteosarcoma" Clinical Orthopaedics and Related Research. in press (1991)