1989 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経切断による神経節細胞内RNA量の経時的変化に関する実験的研究
Project/Area Number |
63570713
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
阿部 宗昭 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (70084994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土居 宗算 大阪医科大学, 医学部, 助手 (70197995)
木下 光雄 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90169912)
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Keywords | 脊髄後根神経節 / 落射型顕微蛍光測光法 / RNA / 軸索再生 |
Research Abstract |
〔目的〕前年度我々は、従来より単離細胞の定量に用いられている落射型顕微蛍光測光法を利用し、凍結切片を用いて神経細胞内RNA量を測定する方法を考察した。また、この方法の信頼性につき検討も行った。今年度は同法を用い、末梢神経切断後の神経節細胞内RNA量の経時的変化を測定した。さらに断端神経腫切除がこの変化にいかなる影響を与えるかを観察し、神経縫合時に行われる神経腫切除の意義についても考察を加えるために実験を行った。 〔材料および方法〕300g前後の雄モルモットを用い坐骨神経を大転子レベルにて切断し、3日後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後に第6腰髄および第1仙髄後根神経節を摘出して凍結切片を作製した。Acridine orange染色したのち、落射型蛍光顕微鏡を用い神経細胞内RNA量を測定した。また、坐骨神経切断後3日、1週間、3週間、4週間において中枢断端を神経腫を含め5mm切除し、その1週間後に後根神経節を摘出し測定した。なお、初回切断後3週間、4週間にて神経腫を切除したものについては神経腫剥離のみの対照群と比較した。 〔結果〕1).神経細胞内RNA量は、坐骨神経切断後徐々に増加し、1週後に最高値に達し、4週目以降は無処置の状態と同じ量までに減少していた。2).神経腫の切除時期を変化せても初回の神経切断による最高値以上のRNA量の増加は観られなかった。3).神経切断後3週間、4週間にて神経腫を切除した場合、神経腫剥離のみの対照群に比較して切除後1週間では明かな神経細胞内RNA量の増加を観た。
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Research Products
(2 results)