1988 Fiscal Year Annual Research Report
有機リン系殺虫剤中毒の病態に関する実験的研究、とくに症状再燃の機序について
Project/Area Number |
63570727
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
白川 洋一 香川医科大学, 医学部附属病院, 助教授 (90134600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 真治 香川医科大学, 医学部, 助手 (30185566)
塚本 郁子 香川医科大学, 医学部, 助手 (10183477)
飴野 清 香川医科大学, 医学部, 助教授 (50019626)
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Keywords | 有機リン / 急性中毒 |
Research Abstract |
1.イヌのフェニトロチオン急性中毒モデル イヌによる実験には様々な不都合のあることが判明し、ウサギを用いるように計画を変更し、モデルの確立に努めている。 2.フェニトロチオン代謝産物の測定 計画書に述べたガスクロマトグラフィー法を利用して測定法の改善を試みたが、大量に存在するフェニトロチオンと微量にしか存在しない代謝産物の分離に問題があり、液体クロマトグラフィー法も平行して検討した。現在は主に後者を用いて、臨床例から得られた生体試料の測定を行っているが、主要物質についてはほぼ満足できる程度の分離定量が可能になった。 3.赤血球アセチルコソンエステラーゼ活性の測定 計画した方法により、高い精度で測定する技術が確立された。さしあたり急性中毒臨床例の血液を経時的に測定し、次のような知見が得られた。血清中の偽性コリンエステラーゼと、赤血球中のアセチルコリンエステラーゼはともに急性有機リン中毒で著しく低下するが、その回復過程には明らかな差異があり、後者は前者に比べて活性回復に4週間以上の遅れがある。しかも臨床症状の改善過程と比べても赤血球中の真性コリンエステラーゼ活性は著しく回復が遅れた。 4.今後の研究の展開 遅れている動物実験モデルの確立に勉める。
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