1989 Fiscal Year Annual Research Report
臓器移植における拒絶現象の解析と特異的免疫抑制法の確立
Project/Area Number |
63570736
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
富樫 正樹 北海道大学, 医学部, 助教授 (50041843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 利盛 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (70196947)
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Keywords | ラット主要組織適合抗原 / ラット腎移植 / リンパ球混合培養 / 脾細胞前投与 / FACScan |
Research Abstract |
ラット主要組織適合抗原であるRT1を指標とし、RT1完全不適合であるDonorがTOラット、recipientがWKAHラット間で腎移植を行った。無処置WKAHラットにTOラット腎を移植すると14.57±7.85(n=7)で急性拒絶される。次いで同じ組み合わせのdonorがTO,recipientがWKAHで、腎移植1週前にTOラットの脾細胞をWKAH静脈内投与し、腎移植を行なうと、2匹が18日、41日で拒絶されたが、6匹で192日以上の長期生着が得られた。 TOラットで免疫したWKAHラットの血清とWKAHラット脾細胞をリンパ球混合培養(MLR)に添加しその抑制効果を検討した。その結果TOラットで免疫したWKAHラット(以下WKAH(TO)と略す)血清は腎移植後2週目にMLRを抑制したが、その後の抑制は認められなかった。WKAH(TO)脾細胞の分画中OX8陽性細胞は、腎移植後4週以後にdonor特異的にMLRを抑制していた。このOX8陽性細胞はサプレッサ-T細胞であることが推測される。 次いで、FACScanを用い移植腎へ浸潤するリンパ球のsubpopulationを検討した。無処置WKAHラットへTOラット腎を移植したものでは、移植腎へ浸潤するリンパ球のCD4/CD8比は0.57±0.17(n=3)と低値をとるのに対し、WKAH(TO)への移植では0.91とやや高値をとる。しかし、未だ例数が少なく、現在更に検討中である。 上記MLRの結果からサプレッサ-T細胞の重要性が推測されるが、今後adoptive transferを用いて証明すること、より容易にサプレッサ-T細胞誘導法を研究する予定である。
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