1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570745
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
下地 敏雄 名古屋大学, 医学部, 講師 (30093040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 国晃 名古屋大学, 医学部, 医員
岡村 菊夫 名古屋大学, 医学部, 助手 (70204021)
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Keywords | 多剤耐性 / P-Glycoprotein / DNA分析 / Ki-67モノクローナル抗体 / 増殖分画 |
Research Abstract |
1.多剤耐性の一因となるP-Glycoproteinの免疫組織学的研究においては、睾丸腫瘍のみでなく泌尿器科領域腫瘍全般で検討しているが、補助金承認の連絡がおそかったため、実験が遅れている。P-Glycoproteinは正常組織にも発現しており、泌尿器科領域では胃と副腎に強く発現している。MRK16(抗体濃度5Mg/ml)を用いたABC法で、正常副腎2例正常腎10例全例で免疫染色陽性であった。しかし、この条件で腎癌9例において全例陰性であった。腎癌においては、MDRlgeneのmessenger RNAが増幅しており、又messenger RNA levelとP-Glycoproteinの発現は一応パラレルと考えられるため、この原因は(i)腎癌においてはMRK16が反応すべきepitopeがない(ii)P-Glycoproteinの発現量が低いためこの濃度では反応しないの2通り考えられる。(i)に関しては、P-GlycoproteinのC-terminalに対するウサギポリクローナル抗体(ONC,SCI社)を用い検討したが同様の結果であった。(ii)に関しては抗体濃度をあげての検討が必要であろう。MRK16の抗体濃度5Mg/mlの条件では、抗癌療法をうけていない睾丸腫瘍6例、尿路上皮腫瘍5例、前立腺癌3例において陰性であり、化学療法をうけ再発の認められた或いは腫瘍が残存した尿路上皮腫瘍4例、睾丸腫瘍2例においてもP-Glycoproteinは陰性であった。 2.flow cytometryを用いた睾丸腫瘍のDNA分析は、まだ行っていない。 3.睾丸腫瘍における増殖分画の研究は、昭和64年度予定であるが、Kiー67monoclonal抗体を用いたABC法によりすでに10例の症例で検討している。詳細な増殖分画はまだ算定していないが、精上皮腫、胎児性癌では多く奇型腫成分では小さい。
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