1989 Fiscal Year Annual Research Report
ガン遺伝子の発現様式にもとづく腎癌の免疫化学療法の開発
Project/Area Number |
63570754
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
窪田 吉信 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (10106312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
執印 太郎 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80179019)
穂坂 正彦 横浜市立大学, 医学部, 教授 (30106330)
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Keywords | 腎癌 / ガン遺伝子 / c-myc / サイトカイン / 遺伝子発現調節 / 細胞膜情報伝達機構 |
Research Abstract |
上記研究課題を完隊するため検討を行い夏季の成果を得た。 ○現在までヒト腎癌患者16例より得られた腫瘍組織と正常組織を用いてm-RNAを抽出し、Northem blatting法にて12種類のガン遺伝子の発現を検討した。その結果c-mycとc-erbB-1遺伝子が著明に過剰発現する場合が多いことが明らかになった。その他c-fos,H-rasmyb等の過剰発現が小数例に認められた。そのガニ遺伝子発現の状況の特異性は腎癌における特性の一つとなりうるものと思われた。 ○c-myc遺伝子がヒト腎癌の発育・進展にどのように関与しているのかを探る目的でヒト腎癌細胞に外来性の遺伝子の電気パルス穿孔法による人工挿入の検討を行い、その基本的な条件等を得た。現在c-myc遺伝子を実際に挿入し、細胞の性質の変化の観察を行っている所である。 ○c-myc遺伝子が過剰に発現するヒト腎癌細胞を用いて、その発現量を調節する可能性のある薬剤として、各種サイトカインを検討したところ、TNFあるいはインタ-フェロンαとインタ-フェロンγの組み合わせがc-mycの発現量を著明に減少させ、そしてその後に細胞増殖の抑制をもたらすことが明らかとなった。このサイトカインの組み合わせにより癌遺伝子の発現の抑制を介しての癌治療の可能性が示唆された。 ○またこれらガン遺伝子の発現の変化と細胞膜の情報伝達機構が密接に関係している所見も得ており、今後の研究の発展が考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yao,M.,Shuin,T.,Misaki,H.and Kubota,Y.: "Enhancod expxession of c-myc and epidermal growth factor receptor(c-irbB-1)genes in prlmary humen reral" Cancer Res.48. 6753-6757 (1988)
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[Publications] Kubota,Y.,Yao,M.,Shuin,T.,Koizumi,K.and Yoshioka,T.: "Inhibirion of phosphatidyl inositol metabolism and c-myc gene expression in human kidney cancer cells by TNF and IFN-γ" Cancer Chemotherogy and pharmacology. 24(supple2). S.76 (1989)
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[Publications] 石橋克夫,窪田吉信,矢尾正裕,執印太郎,穂坂正彦: "ヒト腎癌細胞への遺伝子導入への検討" 日泌尿会誌. 80. 1357-1361 (1989)
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[Publications] 三崎博司,執印太郎,矢尾正裕,窪田吉信,穂坂正彦: "ヒト精巣腫瘍におけるmyc遺伝子群の発現" 日泌尿会誌. 80. 1509-1513 (1989)
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[Publications] 川崎千尋,窪田吉信,他: "腎細胞癌のインタ-フェロン(EFNα-2b)療法" Biotherapy. 3. 1016-1021 (1989)