1988 Fiscal Year Annual Research Report
尿路結石発生機序における酸性ムコ多糖類の影響に関する研究
Project/Area Number |
63570763
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
江藤 耕作 久留米大学, 医学部, 教授 (80080852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 文男 久留米大学, 医学部, 助手 (90190769)
中並 正之 久留米大学, 医学部, 助手
島田 明彦 久留米大学, 医学部, 助手 (10170937)
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Keywords | 酸性ムコ多糖類 / 尿路結石 |
Research Abstract |
(目的)尿路結石形成における酸性ムコ多糖類の作用については、諸説があり、いまだに定説を見ない。今回我々は、ラットを用いて実験的蓚酸結石形成における酸性ムコ多糖類の作用について検討した。 (供試動物)ウイスター系雌性ラット (実験方法)ラット30匹を対象群(普通食)、蓚酸食11B群、13B群に分けた。この3群を5週間飼育後、層殺の上、腎摘し、腎組織内の酸性ムコ多糖類の分析をおこなった。摘出腎をアセトンにて脱脂し、ホモジネートし遠沈、上清を捨て乾燥、重量測定後、トリス緩衝液中で透析しながらプロナーゼにて蛋白消化させ、トリクロール酢酸にて除蛋白した。さらに、それを遠心分離し、その上清を24時間純水にて透析後、塩化セチルピリジニウムを加え、酸性ムコ多糖類を沈澱させた。さらに、遠沈後、塩化ナトリウム溶液を加え撹拌した後、もう一度、遠沈し、沈澱にメタノールを加え再度撹拌した後、遠沈し、沈澱を乾燥させた。蒸留水にて再度、酸性ムコ多糖類を溶解し透析して、内溶液を約10mlまで濃縮の上、凍結乾燥させて、ウロン酸定量を行なった。ウロン酸定量は比色定量法(カリバゾール硫酸法)を用いておこなった。 (結果および考案)、得られた酸性ムコ多糖類の総量は、対象群では25.496μg、蓚酸食11B群では29.894μg、蓚酸食13B群では20.071μgであった。また、乾燥重量1g当りの酸性ムコ多糖類の量は、各々、320.47μg、309.85μg、331.99μgであり、蓚酸食13B群が最も高い酸性ムコ多糖類量を示した。さらに、酸性ムコ多糖類の分画、定性による検討が必要と考えられたが、検体が微量で、電気泳動によるは困難であった為、家兎による結石形成モデルを用い検討中である。
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