1990 Fiscal Year Annual Research Report
尿路結石発生機序における酸性ムコ多糖類の影響に関する研究
Project/Area Number |
63570763
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
江藤 耕作 久留米大学, 医学部, 教授 (80080852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 文男 久留米大学, 医学部, 助手 (90190769)
中並 正之 久留米大学, 医学部, 助手 (00217762)
島田 明彦 久留米大学, 医学部, 助手 (10170937)
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Keywords | 酸性ムコ多糖類 / 尿路結石 / 高速液体クロマトグラフィ- |
Research Abstract |
目的:酸性ムコ多糖類(GAGS)の腎結石形成に及ぼす影響は、従来から諸説があるが、いまだに定説を見ない。今回実験的に家兎に腎結石を形成し、腎実質内のGAGSの定量を試み、GAGSの腎結石形成に及ぼす影響について検討した。 対象及び方法:約2.5kgの雄性家兎をネンブタ-ル麻酔下に、右尿管膀胱移行部にホルマリンを注入して、人為的に右水腎症を作成した。作成後50日以前を前期群、50日以後を後期群とした。両腎を摘出し水腎作製側を実験群・健側腎を対照群として、GAGSを抽出し、ウロン酸定量法でGAGSの総量を求めた。次にコンドロイチナ-ゼAC、コンドロイチナ-ゼABCで酵素処理した後、ヒアルロン酸(HA)、コンドロイチン(Chon)、コンドロイチン硫酸AC(CSーA)、コンドロイチン硫酸B(CSーB)、コンドロイチン硫酸C(CSーC)を高速液体クロマトグラフィ-(HPLC)を用いて定量した。 結果:実験群には全例に、炭酸カルシウム結石形成を認めた。ウロン酸定量法によるGAGSの総量は実験群と対照群間に有意差は認めなかったが、実験群にGAGSが多い傾向を示した。また、HPLCによるGAGSの分析では、結石群においてChon、CSーA、CSーCの有意の減少が見られた。また、Chon、CSーCでは前期群と後期群の間に有意差が見られた。 考按:結石をともなう水腎において、腎組織中のGAGSの総量及びその組成の経時的変化から、HA、Chonは結石形成を促進させ、CSーA、CSーCは結石形成を抑制する方向に働いていると推定できる結果を得た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 島田 明彦: "実験的家兎腎結石形成における腎実質内酸性ムコ多糖の動態分析" 久留米医学会雑誌. 53. 1132-1142 (1990)
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[Publications] 江藤 耕作: "尿路結石症ー基礎と臨床ー" 久留米大学医学部泌尿器科学教室, 174 (1991)