1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570774
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
泉 陸一 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (30010177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新居 隆 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (90111492)
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Keywords | ヒトパルボウイルス / 胎内感染 / 胎児障害 / 胎児水腫 |
Research Abstract |
妊婦におけるヒトパルボウイルス(HPV)感染症が重症胎児水腫をひきおこすことが確認され、本ウイルスの胎内感染は,早期流産や先天奇形などのその他の胎児障害性も含めて、早急に解明されるべき課題となっている。こそで、初年度である昭和63年度は二つの研究を計画し、以下の成績をえた。 1.富山県での女性ならび妊婦におけるHPV抗体の保有率を調査した。1984年10月より1985年12月までの期間に妊婦より採血された。166検体、1988年7月より12月までの期間に採血された妊婦の200検体と非妊婦の136検体について抗HPVIgG抗体を検索した。両期間の全502例の陽性率は32.1%であったが、妊婦では20-24歳は18.4%、25-29歳は16.8%と低く、30-34歳で33.7%とやや上昇した。妊婦での陽性率は、伝染性紅斑が富山県下で爆発的に流行した1986-87年の前と後に該当する両期間で差は認められずほぼ同値を示した。これらの成績から、すくなくともここ数年は伝染性紅斑が流行した場合、妊婦が初感染する危険性が高いことが明らかになった。 2.原因不明胎児水腫9例、先天奇形6例にたいし、retrospectiveに児肝臓や胎盤についてHPV感染と特徴的な病理組織学所見の有無を検索した。全例とも陰性であった。 以上の成績から、来年度は1.5歳から20歳までの年令層を重点的に、抗体保有率を調査する。2.初感染妊婦の追跡調査を行う。3.HPV感染の組織学的証明のため、in situ hybridizationなどの方法の開発を試みる。
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Research Products
(2 results)