1988 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜の脱落膜化機構における細胞成長因子の役割に関する研究
Project/Area Number |
63570776
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山本 稔彦 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80135459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山脇 孝晴 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (50200853)
野村 浩史 三重大学, 医学部, 助手 (00192261)
杉山 陽一 三重大学, 医学部, 教授 (30093131)
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Keywords | 脱落膜化 / 子宮内膜 / 細胞成長因子 / 上皮成長因子 / 蛋白リン酸化反応 / Cキナーゼ / プロゲステロン / プロラクチン |
Research Abstract |
妊卵の着床が全うされ妊婦が正常に維持されるためには、子宮内膜の脱落膜化や絨毛細胞の増殖が円滑に進行する必要がある。本過程にEGFがいかに関与するかを明らかにするため、免疫組織化学的手法を用いて検討した結果、妊婦時(正常妊娠・子宮外妊娠)・非妊娠時(偽妊娠療法)を問わず、ひとたび子宮内膜間質細胞が脱落膜化を来すと、明らかにEGFの局在(特異染色)が認められるようになることがわかった。また、絨毛組織においても、栄養膜合胞体の刷子縁および栄養膜細胞の細胞質を中心にEGFが存在することもわかった。 次に、子宮内膜間質細胞培養系を用いてプロラクチン(PRL)産生能を指標としたin vitro脱落膜化モデルを確立するとともに、EGFの脱落膜化過程に及ぼす影響についても検討した。その結果、形態的・機能的に脱落膜化を誘導するためにはプロゲステロンの存在が必須であり、PRL分泌は96時間目頃より漸増し、240時間目をピーク(プロゲステロン100ng/ml添加にて63±12.5ng/ml/48時間)とすることがわかった。 EGFの同時添加では、PRL分泌は容量依存性に抑制され、EGFの最少有効濃度は0.1ng/ml以下であり、1ng/ml以上の濃度では、プロゲステロンの作用を完全に阻害することがわかった。 なお、本年度に得られた以上の興味ある知見についてはSymposium on Development of Pre-implantation Embryos and Their Enoironment(8th International Congress of Endocrinology)において、本研究代表者がシンポジストとして報告することもできた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 山本稔彦: 日本産科婦人科学会雑誌. 40. 655-660 (1988)
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[Publications] 中淳: 日本受精着床学会雑誌. 5. 114-116 (1988)
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[Publications] 西山真人: 日本受精着床学会雑誌. 5. 121-124 (1988)
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[Publications] 山本稔彦: 産婦人科の進歩. 41. 119-127 (1989)
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[Publications] 西山真人: 日本受精着床学会雑誌. 6. 148-150 (1989)
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[Publications] 矢納研二: 日本受精着床学会雑誌. 6. 162-166 (1989)
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[Publications] ATSUSHI,NAKA: "Placental And Endometrial Proteins:Basic and Clinical Aspects" YUTAKA TOMODA, 4 (1988)
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[Publications] TOSHIHIKO,YAMAMOTO: "Development of Pre-implantation Embryos and Their Environment" K.YOSHINAGA, 12 (1989)