1988 Fiscal Year Annual Research Report
単クローン抗体を使った新しいin vitro抗癌剤感受性試験の試み
Project/Area Number |
63570784
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
田中 耕平 香川医科大学, 学部附属病院, 講師 (10171753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 雅弘 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (60200507)
山崎 俊彦 香川医大学, 医学部, 助手 (30201833)
黒瀬 高明 香川医科大学, 医学部, 助手 (60170122)
笹川 基 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90187112)
半藤 保 香川医科大学, 医部, 教授 (40092720)
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Keywords | 抗癌剤感受性試験 / in vitro / DNA polymerase |
Research Abstract |
1諸言:癌細胞に対するin vitroの抗癌剤感受性試験は癌の化学療法の個別化に必要と考えられる。抗癌剤感受性試験の条件として、短時間で判定でき、操作が簡便であること、さらに増殖する細胞の有無を判定することである。この条件を満たす方法として、stem cell assayをはじめ種々な方法が開発されたがすべての癌細胞で可能ではなくまた長時間かかり操作の面でも困難なことがある。そこで癌細胞を採取後、抗癌剤と接触させcell cycleにある細胞がどれだけ残存しているかを判定するためDNA polymeraseの抗体を使い染色することで短時間で高感度な方法となりうるか否かを検討した。 2方法:(1)当教室で樹立した卵巣癌(奨液性腺癌)由来細胞株kubota株をtarget cellにした。細胞を0.2%trypsin、0.01%EDTAで分散後、Lab TekDchamber Slide(Miles社)で48時間培養した。その後cisplatinum0.002μg/ml、0.02μg/ml、0.2μg/ml、2.0μg/ml、20μg/2mlの各濃度に1時間接触させ、培養液で3回洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで30分間固定し、増殖細胞染色テスト(MBL社)を用いPAP法にてDNA polymerase αを染色し全細胞数あたりの陽性細胞を算定した。 (2)kubota株細胞を直径35mmdishに1×10^5cells/mlの細胞濃度で48時間培養した後に各濃度のcisplatinumと1時間 触させ、3回洗浄の後さらに48時間培養し生細胞を計測した。 3結果:cisplatinumによる細胞増殖抑制(薬剤投与群/control×100)は薬剤と接触させなかったcontrolに比較して0.002μg/ml、0.02μg/ml、0.2μg/ml、2.0μg/ml、20μg/ml各濃度でそれぞれ93%、97%、89%、88%、60%であった。一方、DN palymerseの陽性細胞は各濃度において全細胞0.002μg/ml〜0.2μg/mlでは100%、2.0μg/mlでは約80%以上、20μg/mlでは約50%の陽性率を認めた。 4考察:両方法ともほぼ同様の成績であった。高濃度薬剤群は細胞剥離が顕著であり判定困難であったがDNA polymeraseαによる免疫細胞化学法によるin vitro抗癌剤感受性試験の可能性を示した。
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