1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570793
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
水口 弘司 横浜市立大学, 医学部・産婦人科, 教授 (20010176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平原 史樹 横浜市立大学, 医学部・産婦人科, 助手 (30201734)
大塚 尚之 横浜市立大学, 医学部・産婦人科, 助手 (70194206)
多賀 理吉 横浜市立大学, 医学部・産婦人科, 講師 (00107682)
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Keywords | 胎児発育 / 成長因子 / 神経成長因子 / in situ hybridization / 胎盤 |
Research Abstract |
平成元年度も、成長因子を神経成長因子(NGF)に絞って、分子生物的アプロ-チにより、胎児発育に関する研究を進めた。 1)、ヒト胎盤よりAmersham社のmRNA extraction kitを利用して、mRNAを抽出し、昨年度すでに作成した2種類のoligonucleotideをラベルしたprobeを用いてNortherm blottingを施行した。昨年度は、このhybridizationの高効率の条件を設定できなかったが、今年度の基礎的な検討により、この条件を見出すことが出来た。この条件は、胎盤での成績であるが、胎仔組織においても同様の条件で使用可能と考えられた。 2)、ラット胎仔の各組織におけるNGFmRNAの発現およびそのontogenyについては、今年度は、胎仔の各発育段階にある胎仔組織からのmRNAの抽出のみにとどまらざるを得なかった。これは、基礎的な検討である。本probe胎盤組織のNGFmRNAとのhybridecationの好条件を見出すまでに手間どったためである。本年度終わり頃には、ヒト胎盤でのNGFのin situ hyoridization法もやっと確立されたので、来年度は、胎仔組織におけるNGFのin situ hybridizationが可能と思われる。これにより、胎児の発育、成長におけるNGFの生物学的な意義が、分子生物学的な側面からも明らかにされるであろう。 3)、本年度は、この胎児発育とは別に、NGFが関連していると考えられている、遺伝子疾患であるRecklinghousen病について、分子生物学的にNGFを分析した。本疾患のneurofibromaの組織におけるNGFmRNAの存在を、本probeで検出しようとするものであるが、この研究も、NGFの胎児発育に及ぼす影響を検討する上で、参考になると考えられた。 4)、他の成長因子であるIGF-I、IGF-II、EGF、TGFなどについては、まだ分子生物学的なアプロ-チは出来なかった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 織茂毅,多賀理吉,五来逸雄,植村次雄,水口弘司: "受精卵培養における各種成長因子の検討" 日本受精着床学会雑誌. 6. 36-38 (1989)
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[Publications] 佐治正彦,加藤明子,多賀理吉,水口弘司: "ヒト脱落膜におけるepidermal growth factorの生物学的作用" 日本受精着床学会雑誌. 6. 144-147 (1989)
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[Publications] M.Taga,H.Shigeta,T.Suzuki,T,Koshimizu,T.Ohtsuka,H.Minaguchi: "Growth Factors in Fetal Growth and Differentiation" Yokohama Med.Bull.39. 173-188 (1989)
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[Publications] 鈴木猛,茂田博行,中山昌樹,小清水勉,高橋恒男,多賀理吉,水口弘司: "Recklinghausen病合併妊娠において、児の髄膜癌を出生前に診断し得た一例" 日本産科婦人科学会神奈川痴呆部会会誌. 26. 29-33 (1989)
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[Publications] M.Taga,T.Sakakura,T.Oka: "Identification and Partial Chanacterization of Mestuchymo-derined Growth Factor That Stimulates Proliferation and Inhibits Functional Differentiation of Mouse Mammary Epithelium in Culture" Endocrinal.Jap.36. 559-568 (1989)
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[Publications] 多賀理吉,池田万里郎,榊原秀也: "高プロラクチン血症に対するホルモン療法の最近の考え方" 産婦人科の実際. 38. 531-536 (1989)
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[Publications] 水口弘司,多賀理吉,小清水勉,鈴木猛,松井浩志,池田万里郎,榊原秀也: "ヒト胎盤におけるNerue growth factor(NGF)の遺伝子発現" 厚生省特定疾患神経皮膚症候群調査研究班昭和63年度研究報告書, 88-91 (1989)
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[Publications] T.Suzuki,T,Koshimizu,M.Taga,and H.Minaguchi: "Extraction and purification of human placental nerve growth factor(NGF)and measurement of its axtivity bioassay and NGF radioreceptor assay(NGF-RRA)" Placental and Endometrial Proteins:Basic and Clinical Aspects VSP,Utrecht,The Netherlamds, 101-104 (1988)