1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570825
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
望月 学 東京大学, 医学部, 助教授 (10010464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 禎子 東京大学, 医学部, 助手 (30191422)
山下 英俊 東京大学, 医学部, 講師 (90158163)
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Keywords | ウシ網膜血管内皮細胞 / 分離培養 / 糖負荷 / F-アクチン染色 / 立体的細胞集塊 / 基底膜様物質蓄積 / 高濃度グルコースの増殖抑制 |
Research Abstract |
網膜血管内皮細胞をウシ眼より分離培養して種々の負荷下における形態学的変化について検討した。 1)対照(無負荷) 培養開始後3日目頃より血管片周囲に細胞が出現しはじめ,培養7日目で血管片周囲に円形の核をした核小体の明瞭な細胞が認められた。培養4週目になると敷石状に細胞が配列した。さらに継続して培養すると,同一培養皿内に細胞突起を延ばし重層化を示す線維芽細胞様の細胞群も出現してきた。これをのぞくため初代培養2週間日に細小血管片をのぞき,培養4週目に最小希釈法によりクローニングを行い血管内皮のみを分離した。これは第VIII因子関連抗原陽性が免疫組織化学的に確認されて血管内皮細胞であることが確認された。 2)糖負荷の影響 培養3〜5代目のウシ網膜血管内皮細胞をチャンバースライド内にまき,ローグルコース濃度が100mg/dl,200mg/dl,400mg/dlの培養液で3週間培養した。グルコース100mg/dlで7日間培養すると細胞密度の疎な部分が混在した。F-アクチン染色では細胞集塊は平面的に接合しており細胞間に比較的均一に染色されている。グルコース200mg/dlでは,内皮細胞が重層化し,立体的な細胞集塊がみられ,この集塊の中に基底模様物質の集積がみられた。F-アクチン染色では,細胞集塊突起部に濃く染色された。グルコース400mg/dlでは,細胞密度が低く,変性した細胞が多く認められるようになったが,立体的細胞集塊はかえって多くみられた。走査電顕では,グルコース100mg/dlでは細胞接合部に指嵌像がみられたが,400mg/dlでは細胞間が大きくあいていた。 ガラクトース負荷でも上記グルコースと同様の変化がみられた。インスリン負荷のみでは今回検討した濃度では対照と有意差がみられなかった。
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