1988 Fiscal Year Annual Research Report
新しい緑内障治療薬-Prostaglandisns-開発に関する基礎的,臨床的研究
Project/Area Number |
63570826
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新家 真 東京大学, 医学部, 講師 (00092122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小室 優一 東京大学, 医学部, 教授職員
赤星 隆幸 東京大学, 医学部, 助手 (60192887)
鈴木 康之 東京大学, 医学部, 助手 (80196881)
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Keywords | プロスタグランディン(PG)F_<2α> / PGD_2 / 房水流量 / BAB透過性 / Uveo-scleral flow / 眼圧下降 / 家兎眼 |
Research Abstract |
実験対象動物として,猫は安定した供給が得られない事が判明したため家兎眼を用いて,PGF_<2α>及びPGD_2の,眼圧下降機作,BAB透過性に対する作用を比較検討した。 1.房水流量の検討:フルオレセインを角膜内に投与するJones-MauriceのII法で行った。PGD_250μg点眼により,点眼側の房水流量は3.00±0.17μe/分(平均±SD,N=13)とコントロール側の3.58±0.22μe/分に比べて有意に低下した。 2.Uveo-scleral flowの検討:Pedersonの方法により行った。PGF_<2α>(50μg)では,コントロール側0.15±0.02μe/分(N=7)に対べ0.21±0.03μl/分と有意に増加,これは従来の報告とよく一致した。一方PGD_2(50μg)点眼ではコントロール側の0.15±0.02μl/分(N=8)に対し,0.16±0.02μe/分と,全く変化がみられなかった。更に,Uveo-scleral flowを低下させる薬物ピロカルピン前処置のPGF_<2α>,PGD_2の眼圧下降効果に対する影響を検討した所,ピロカルピンによりPGF_<2α>の作用はブロックされたが,PGD_2のそれは影響をうけない事が分った。 3.BAB透過性に対する影響:FITC-ウサギアルブミンを,静注し,その前房中濃度を測定する事により検討した。PGF_2は,BAB透過性を促進させたが,PGF_<2α>は,変化を与えないか,又は前房中FITCーアルブミン濃度を逆に低下させる事が分った。一方,フルオレセイン静注後の前房中フルオレセイン濃度は,PGD_2点眼側と,コントロール側で差をみなかった。 4.眼圧下降効果:PGF_<2α>のPGD_2とも家兎眼眼圧を,容量依存性に下降させたが,外眼部刺激症状は,PGF_<2α>はPGD_2に比べ遙かに強かった。 以上PGD_2の眼圧下降機作は,PGF_<2α>と全く違う事が分かった。更にプロスタグランディンの眼に対する作用は,一律でなく複雑な事が分かった。
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