1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570827
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小椋 祐一郎 京都大学, 医学部, 助手 (70191963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安渕 幸雄 京都大学, 医学部, 助手 (70210276)
石郷岡 均 京都大学, 医学部, 講師 (80135590)
河野 真一郎 京都大学, 医学部, 講師 (30201445)
本田 孔士 京都大学, 医学部, 教授 (90026930)
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Keywords | 網膜接着力 / 網膜下液吸収 / 渦静脈 |
Research Abstract |
準備実験として、網膜接着機構と密接な関係を有すると考えられている網膜下液吸収における、渦静脈結紮及び強膜半層切除の影響を観察した。つまり、下液吸収は、渦静脈を結紮することにより約40%遅延し、これは、強膜半層切除によって約20%回復するという結果を得た。 Wiederhielmらにより開発されたresistance servo-nulling法を応用したmicropressure measuring systemを用いて、網膜下腔内圧を精密に測定することで、生体眼における網膜接着力を測定する新しい方法を開発し、正常家兎生体眼における網膜接着力を測定した。 有色家兎を用い、顕微鏡下に、micro pipetteをpars planaより挿入し、balanced salt solutionを徐々に注入し、半球形の、限局性網膜剥離(bleb)を作製。別のmicro pipetteをbleb内に刺入し、micropressure measuring systemを設置する。最初のmicro pipetteから液を注入し、blebが再び伸展し始めたときの網膜下腔内圧(Ps)を測定した。同時に、硝子体内圧(Pv)の変化も測定した。 Laplaceの法則を応用して、網膜の接着力(A)は、次のように表される。 A=r(PsーPv)/2 r:bleb底面積の半径 上式より、有色家兎正常眼における網膜接着力は、(1.8±0.2)×10^2dyn/cmと見積られた。 今回の方法で得られた値は、in vitro peeling法による値の約5倍であった。 以上のように、本年度研究計画である網膜接着力測定法の開発および正常眼における接着力の測定について達成した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 喜多美穂里,根木昭,塚田孝子,河野真一郎,本田孔士: 厚生省特定疾患網膜脈結膜萎縮症調査研究班 昭和62年度研究報告書. 196-198