1989 Fiscal Year Annual Research Report
斜視患者外眼筋の病理および機械的特性とその臨床応用
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63570840
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
久保田 伸枝 帝京大学, 医学部, 教授 (20082125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 晶子 帝京大学, 医学部, 助手 (00199259)
中村 桂三 帝京大学, 医学部, 助手 (00217845)
林 孝雄 帝京大学, 医学部, 助手 (90218579)
岩重 博康 帝京大学, 医学部, 助教授 (80082288)
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Keywords | 共同性斜視 / 麻痺性斜視 / active force / passive force / 上下斜視 / 筋移動法 / 交代性上斜位 / 水平斜視 |
Research Abstract |
1.外眼筋の病理学的研究について 水平、上下斜視患者における外眼筋の光顕、電顕による病理組織の検索では、斜視患者(共同性、非麻痺性)特有の変化は現時点ではみられていない。しかし、コントロ-ルとしての十分な標本が得にくいので、結論はでていない。 2.外眼筋の機械的特性について 全身麻酔下における測定装置の開発が遅延したために、passive forceの検討が十分なされていない。しかし、共同性斜視、とくに交代性上斜位を合併した水平斜視、内斜視および外斜視について、交代性上斜位を伴わないものと比較した。その結果、内斜視、外斜視、ともに一定の傾向が得られなかった。active forceについても同様の結果が得られた。 上斜筋の運動障害による上下斜視では上下、斜方向の筋のforceを正確に測定するのが困難であった。その原因としては、十分な測定範囲が現在の装置では得られず、より小型化することが要求される。 3.臨床応用について 共同性(非麻痺性)および麻痺性斜視ともに手術方法、手術筋の選択にこれらの測定結果を応用することは有用であった。とくに共同性斜視では、二重対応間歇性外斜視と正常対応の手術筋選択、外転神経麻痺後の内斜視、動眼神経麻痺後の外斜視における手術方法の選択、すなわち筋移動法、拮抗筋(非麻痺筋)の減弱術の選択といった点で、臨床応用が可能であった。 4.今後の問題 日常臨床への応用のためには、測定装置の眼球に接触する部分についてより小型化し、上下、斜方向への可動範囲をより大きく得られるようにする必要がある。
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Research Products
(1 results)