1988 Fiscal Year Annual Research Report
耳下腺アミラーゼ分泌におけるカルモジュリンの生理的意義についての研究
Project/Area Number |
63570876
|
Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
東城 庸介 東日本学園大学, 歯学部, 助教授 (90111731)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 一彦 東日本学園大学, 歯学部, 助手 (60194510)
|
Keywords | 耳下腺 / アミラーゼ分泌 / カルモジュリン / カルモジュリン阻害薬 / サイクリックAMP / カルシウム |
Research Abstract |
1.アミラーゼ分泌に及ぼすカルモジュリン阻害薬の効果. 酵素処理により得られたラット耳下腺細胞を用い、カルモジュリン阻害薬であるトリフルオペラジン(TFP)、Wー7、Wー5のアミラーゼ分泌に及ぼす効果を調べた。25ー100μMのTFPとWー7はイソプロテレノール(Iso)によるアミラーゼ分泌を濃度依存的に強く抑制した。そのIC50値はTFPで22μM、Wー7では48μMであった。DBcAMPによるアミラーゼ分泌に対してもこれらの阻害薬は強い抑制作用を示した。一方、カルモジュリン阻害作用の弱いWー5はわずかな抑制作用しか示さなかった。 2.cAMP代謝系に及ぼすカルモジュリン阻害薬の効果。 IsoによるcAMPの上昇はTFPの存在下でいくらか低下したが、Wー7やWー5はほとんど影響を示さなかった。 3.アミラーゼ分泌とcAMP生成に及ぼすCa^<2+>とFGTAの効果。 Iso刺激によるアミラーゼ分泌はEGTAの前処置により有意に低下し、Ca^<2+>で前処置すると分泌反応は増大した。cAMPレベルはCa^<2+>やEGTAにより強い影響を受けなかった。 4.細胞形態に及ぼすカルモジュリン阻害薬の効果。 耳下腺細胞をTFP、Wー7あるいはWー5で処理した後の細胞形態を電子顕微鏡で観察した。TFPあるいはWー7で処理した細胞では管腔膜上の微絨毛が消失するとともに基底側部の細胞膜表面が平滑になった。TFPやWー7存在下でIsoで分泌刺激すると管腔は拡大したままとなり、しばしば管腔内は分泌物で満たされていた。管腔の周囲にはまだ多くの分泌顆粒がみられた。Wー5による処理はほとんど無効果であった。 今後、Ca蛍光色素Fura2を用い、IsoやDBcAMPによる細胞内Ca濃度の変化、その変化に及ぼすカルモジュリン阻害薬の効果を調べる。
|
Research Products
(2 results)