1988 Fiscal Year Annual Research Report
真菌カンジダ・アルビカンス呼吸欠損変異株のミトコンドリアDNAの制限酵素地図
Project/Area Number |
63570880
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
青木 茂治 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (20095045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久和 彰江 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (40095063)
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Keywords | カンジダ・アルビカンス / 呼吸欠損変異 / ミトコンドリアDNA / 制限酵素地図 |
Research Abstract |
昭和63年度においては、Candida albicans親株を用いて概略以下の成績を得た。 1.ミトコンドリア(Mt)純化法の確立 本研究に用いているC.albicans親株細胞は1〜数個の巨大Mtを含んでおり、そのMtには約8個のMt核様体が存在していることが蛍光染色法で確認された(Ito-Kuwa et al.、1988)。細胞に含まれるMt-DNA量は核DNAの数%であり、その分析に際しては核の混入のないMt純化法の確立が重要である。種々検討の結果、以下の方法によりMt純化標品を調整することができた。細胞を高浸透圧下(0.9Mソルビトール)で細胞壁溶解酵素処理して得たスフェロプラストを穏やかに破壊した。低速遠心で核と未破砕細胞を除き、上清画分を高速遠心してMtを集め、低温下でDNase処理すると、混入核DNAは分解されるがMt-DNAは未分解のままに残った。こうして得たMtより抽出したDNAには核DNAの混在は認められなかったので、以後の制限酵素分解実験に用いた。 2.Mt-DNAの制限酵素分解 Mt-DNAを種々の制限酵素で分解し、生じたDNA断片をゲル電気泳動法で分析し、それら断片の数およびサイズを求めた。DNA断片の数は、制限酵素EcoRIでは5、PvuIIでは6、BamHIでは4、XbaIでは4ケであった。いずれの場合も各断片のサイズを合計すると約40キロ塩基対の大きさになった。これらの酵素処理により得られたDNA断片の数と大きさは、Mt-DNAの制限酵素地図の構築に適しており、変異株のMt-DNAの分析に応用する予定である。 3.制限酵素地図の構築 Mt-DNA上のEcoRLおよびPvuIIの分断点はほぼ明らかになり、Mt-DNAの制限酵素地図を構築中にある。
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