1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570883
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
中村 武 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (60064656)
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Keywords | 歯周病原菌 / 生態適生物活性 / 抗菌活性 / 細菌酵素 / ヘパリナーゼ / ヒアルロニダーゼ |
Research Abstract |
1.歯周病原菌の生態的生物活性 歯周病原菌の抗菌活性をstad culture法で調べ、Capnocytophaga ochraceaおよびFusobacterium sp.の菌株に強い活性を見出した。C.ochraced No.26、M-12菌株はS.sanguis(ATCC 10556)に対して強い阻止作用を有し、この活性は菌体結合性であった。抗菌物質を菌体(No.26)から超音波抽出し、イオン交換、ゲル濾過、HAカラムクロマトで精製(精製度、83倍、回収率30%)した。精製物質は、PAGEで高純度の所見を示した。本物質の分子量は、100,000等電点、PH8.0で活性が80℃で失活した。抗菌スベクトラムは、S.sanguis、S.mitis、S.mutans、Pacnesの発育を阻止し、静菌的であった。 Stab culture法で黒色Bacteroidesの発育を阻止したFusobacterium sp.6菌株の活性は、いずれも菌体からの抽出試料に認められた。しかし、本活性は失活傾向が強くその安定化と精製法について検討中である。 2.歯周病原菌の歯周組織破壊に関連する産生酵素 Bacteroides heparinolyticusのヘパリナーゼは、菌体(ATCC 35895)の超音波抽出粗酵素をイオン交換、ゲル濾過、HAカラム、等電点電気泳動法で精製(精製度1,920倍、回収率8.9%)した。精製酵素は、PAGE所見で高純度と示唆された。本酵素は易熱性で分子量64,000、等電点、pH9.5、反応至適pH7.0であった。活性はFe^<2+>で促進され、基質特異性はheparin、heparan sulfateのみに作用し、分解産物として不飽和4糖と2糖が検出された。 Bacteroides oralis(ATCC33269)のヒアルロニダーゼは菌体外産生性であった。ヘパリナーゼに準じて培養上清から精製(精製度12,000倍、回収率5.8%)した。本酵素の分子量は75,000、等電点、pH7.6、反応至適pH5.5であった。活性はCa^<2+>、Mg^<2+>など金属イオンによる影響はなかった。基質特異性はヒアルロン酸のみに作用し、分解産物として不飽和6糖と4糖が検出された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takeshi Nakamura,et al.: Journal of Clinical Microbiology. 26. 1070-1071 (1988)
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[Publications] 柴田幸永 他: 松本歯学. 14. 58-65 (1988)
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[Publications] Takeshi nakamura,et al.: Infection and Immunity.