1988 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素徐放性イーラントが根面象牙質の脱灰層に及ぼす影響
Project/Area Number |
63570889
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柴谷 貴子 大阪大学, 歯学部, 助手 (10127235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊賀 己記 大阪大学, 歯学部, 助手 (90176066)
鳥井 康弘 大阪大学, 歯学部付属病院, 講師 (10188831)
土谷 裕彦 大阪大学, 歯学部, 教授 (40028709)
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Keywords | フッ素徐放性シーラント / 根面象牙質 / 脱灰進行抑制 |
Research Abstract |
フッ素徐放性小窩裂溝封鎖材として開発されたメタクリル酸フッ化物とメタクリル酸メチル共重合体を含む接着性レジン(Fーシーラント)が根面象牙質う蝕の進行抑制に及ぼす効果を明らかにするための第一歩として、Fーシーラントが根面象牙質の脱灰層に及ぼす影響を検討した。 リン酸で1分間脱灰した象牙質にFーシーラントを塗布し、3分後に光重合させた後、形成面に垂直に試料を半切して6N塩酸で30秒間脱灰し、走査型電子顕微鏡によりシーラントの浸透状態を調べた。 その結果、象牙質の最表層にはシーラントの浸透により、脱灰乾燥時の収縮に対して強い低抗を示す厚さ約10μmの層すなわちシーラント浸透層が観察された。 健全象牙質に形成された厚さ約3μmのシーラント浸透層は象牙質の脱灰進行を抑制しないと報告されているが、脱灰象牙質に形成された比較的厚いシーラント浸透層が象牙質の脱灰進行を抑制するかどうかは不明であり、今後の研究課題である。また、Fーシーラントから放出するフッ素が象牙質の脱灰進行抑制にどのように関与するかも今後の重要な研究課題である。
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