1988 Fiscal Year Annual Research Report
各種根管治療薬の根光性歯周疾患に対する免疫学的影響に関する基礎的研究
Project/Area Number |
63570893
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉田 治志 長崎大学, 歯学部, 講師 (40166963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 久子 長崎大学, 歯学部, 助手 (40186292)
川口 政廣 長崎大学, 歯学部, 助手 (40084248)
松元 仁 長崎大学, 歯学部, 教授 (30013923)
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Keywords | 根管治療薬 / 根光性歯周疾患 / 免疫学的影響 |
Research Abstract |
雑種成犬の上顎或は下顎前歯にラバーダム防湿を施し、滅菌したラウンドバーおよびリーマーにて髄腔開拡、歯髄を摘出した。その後通法に従って次亜鉛素酸ソーダ及び過酸化水素水で根管内を十分洗浄後滅菌ペーパーポイントにて乾燥させた。根光は穿通させずに根管内を次亜鉛素酸ソーダで満たし、リージョンジェネレーターに接続した直径0.25mmの歯牙電極を根光まで挿入して、不関電極は口腔粘膜に接した排唾管に接続させて電気的に根光歯周組織の加熱を試みた。電極先端の温度をできるだけ90度前後に保つようサーモカップルの温度表示を20分間モニタリングしながら加熱した。根光歯周組織の加熱後無貼薬のペーパーポイントを根管内に挿入し、窩洞はカルボキシレートセメントで仮封した。術直後及び2週間毎に規格X線写真を撮影し、次の事がわかった。 1.X線写真により加熱後2週間から1カ月で根光病巣の形成の可能性が期待される実験例が得られた。 2.歯槽骨頂の著明な吸収は認められず、根光歯周組織の不透過像は辺縁性歯周疾患に由来しない可能性が示唆された。 本実験は可及的無菌処置下で行われており、細菌の免疫学的修飾の少ない根光性歯周疾患の実験モデルとして本研究の有用性が期待される。現在、より確実な根光歯周疾患の形成条件(特に加熱時間及び加熱時期)を検討するとともに一部の例では病巣の形成および細菌の汚染の有無を組織学的に確認しつつある。また、X線透過像の確認された実験例の根管内に根管治療薬(特にフォルモクレゾール)を貼薬し、前肢静脈血及び根管内浸出液の抗体量の経時的変動を追跡中であり、結果については近日中に発表していく予定である。
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