1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570894
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中村 玄 昭和大学, 歯学部第一保存学教室, 助教授 (90089417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鴨井 美子 昭和大学, 歯学部第一保存学教室, 講師 (70138387)
若林 始 昭和大学, 歯学部第一保存学教室, 助教授 (90175688)
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Keywords | ラット / 第一大臼歯 / 根尖孔 / SEM |
Research Abstract |
本課題のうち、まずラット下顎第一臼歯近心根の成長発育と咬合との関係による変化を定量化する目的で実験を行った。 実験には、4週齢ラットを40匹用い、10匹ずつの4グループとし、固型飼料で飼育した。実験期間は、4、6,8、12週齢とした。6、8、12週齢のラットは4週齢時に、左側下顎は咬合側、右側下顎は非咬合側とするために、対合歯を粉砕除去した。ラットは各週齢に達した時に、ト殺し、下顎骨を摘出、軟組織を除去後、引っぱり試験機で、下顎第一臼歯を抜去した。次に、次亜塩素酸ナトリウムにて根尖部の軟組織を除去し、その標本を走査型電子顕微鏡で観察し写真撮影した。その写真上で根尖孔の面積、周長を測定し、根尖部の形態的変化を定量的に検索した。 その結果、根尖孔の面積の変化は、4週齢で平均0.24mm^2であったが、咬合群では、6週齢で平均0.18mm^2、8週齢で平均0.12mm^2、12週齢で平均0.05mm^2と減少していくが、8週齢以降その減少率は鈍くなっていた。一方、非咬合側においては、6週齢で平均0.17mm^2でほとんど差がなかった。8週齢においては、平均0.09mm^2と咬合側の間に有意差は認められた。しかし、12週齢となると平均0.04mm^2となるが、咬合側との差は認められなかった。周長についても同様な傾向が認められ、4週齢で平均1.82mm^2であったものが、増齢に伴って約81%、約65%とそれぞれ減少するが、面積と比べて減少率が小さくなっていた。非咬合側では、8週齢で約68%で咬合側とは有意差があったが同様に、12週齢では、有意差はなかったが、非咬合側の方がやや小さい傾向があった。即ち、根尖孔は、増齢に伴い、縮小し又、複雑化してくるということが示唆された。 現在さらに、粉末飼料、TCを投与し、根尖部の未脱灰切片を作製し詳細に検討中であり、さらに歯髄炎などを起こし検索する予定である。
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Research Products
(1 results)