1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570895
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小林 誠 昭和大学, 歯学部歯周治療学講座, 講師 (80186767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嶋 直美 昭和大学, 歯学部歯周治療学講座, 助手 (50159951)
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Keywords | 歯根膜細胞 / 骨芽細胞 / アルカリフォスタァターゼ活性 / サイクリックAMP / オステオカルシン / 活性型ビタミンD_3 |
Research Abstract |
歯周治療後に見られるセメント質や歯槽骨の形成に関与するセメント芽細胞や骨芽細胞の前駆細胞は、従来より歯根膜組織の中に存在していると考えられている。しかしこれら前駆細胞の分化の過程や機能には未だ不明な点が多い。そこで我々は、牛の下顎前歯抜去歯より得た歯根膜組織由来の培養細胞が、骨芽細胞と同様な形質を示すか否かを、同一個体の牛の口蓋部歯肉結合組織由来の培養細胞を対照として比較検討したところ、牛の歯根膜細胞は、対照として用いた歯肉線維芽細胞とはin vitroの培養系において以下に述べる点で異なっていることが判明した。 1.高いアルカリフォスファターゼ活性を有している。 2.ヒト副甲状腺ホルモン(PTH 1ー34)に反応して、細胞内cAMP産生量の増加が認められる。 3.牛の骨のオステオカルシンと免疫交叉性のあるオステオカルシン様蛋白質を産生しており、この蛋白の産生量は活性型ビタミンD_3(1、25(OH)_2D_3)の添加により増強される。 以上の点から歯根膜組織中には、歯肉線維芽細胞とは明らかに異なり、むしろ骨芽細胞に類似した細胞が多く存在していることが示唆された。 今後は 1.歯根膜組織中におけるオステオカルシン様タンパンの局在 2.歯根膜培養細胞の産生しているオステオカルシン様蛋白の分子量の確認 3.歯根膜培養細胞のin vitroにおける石灰化の可能性についての組織学的検索 を行っていく予定である。
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