1989 Fiscal Year Annual Research Report
Computed Tomographyの歯内療法領域への応用に関する研究
Project/Area Number |
63570898
|
Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
平林 正道 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (20104482)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 泰尚 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (30191646)
高木 利光 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (70104346)
|
Keywords | C.T. / 歯内療法 / 被爆線量 / プロテクタ- / 根尖病変 / 三次元表示 |
Research Abstract |
前年度に引き続きC.T.の歯内療法領域への応用に関する検討を行ったところ以下の結果を得た。 1.C.T.撮影時の被爆線量;線束部表面の吸収線量は35.0mGyであり、結晶体では0.6〜1.0mGy、甲状腺では0.8mGyであった。また、歯科用標準X線撮影時の同部位での吸収線量は、それぞれ,5.0mGy、0.5mGy、0.4mGyであった。水晶体、甲状腺での被爆を防護するため試作したプロテクタ-を装着することによって、水晶体、甲状腺におけるC.T.撮影時の被爆線量は50%程に軽減した。しかし、線束部表面での被爆に関しては検討する余地が残った。2.根尖病変の観察;イヌを用いた動物実験により、歯牙に幹線根管を作成して、G.T.撮影像によって根尖部の歯槽骨の変化を観察したところ、2〜3週間目より根尖周囲の海綿質骨内に現局した骨欠損像が認められた。4〜6週間目ではこの骨欠損が皮質骨まで波及していることが確認された。一方、同時に撮影した歯科用標準X線撮影像では4〜6週間目、すなわち、根尖病変が皮質骨に波及するまでは歯槽骨の変化を透過像として観察することはできなかった。この結果より、C.T.を応用することにより、従来の歯科用標準X線撮影像では読影が困難であった海綿質骨内に現局した初期の根尖病変や根尖病変の波及の状態、さらに根管治療後の歯槽骨の治癒経過などを観察することが可能であると考えられた。3.C.T.画像の三次元表示;C.T.画像より得られる二次元的な画像を、コンピュ-タによって三次元的な画像として立体的に再構築することが、理論的には可能であった。しかし、再構築に必要なデ-タを得るためには多数面でのスライスが必要であり、これが被爆線量の著しい増加を招くことになるため、実際の応用に対しては課題が残った。 以上の結果より、歯内療法領域での有効性が示唆されたが、被爆に関してはさらに検討する余地が残った。
|
Research Products
(1 results)