1988 Fiscal Year Annual Research Report
根管消毒剤が抜髄後の創傷治癒に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
63570900
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
中村 洋 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (40064878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柵木 智晴 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (30201768)
兵藤 公紀 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (90201730)
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Keywords | ラットの臼歯 / FCの貼用 / 抜髄 |
Research Abstract |
1.目的 FCが抜髄後の根尖部歯周組織に及ぼす影響について検索した。 2.材料及び方法 ラット下顎第1大臼歯を抜髄後、対照群には根管内に生理食塩水を貼用し、実験群にはFCをペーパーポイントにて貼用した。処置後、1、3、7、14、28日目にラットを屠殺した。ついで、下顎骨を摘出し、それを通法に従って固定、脱灰後、組織功片を作製して、HE染色を施し、光学顕微鏡にて観察した。 3.実験結果 1日、3日目において、対照群は根尖部歯根膜組織に強度の炎症性細胞浸潤が認められた。実験群においては、その所見が対照群より強度であった。7日目では、対照群は根尖部歯根膜組織の炎症性細胞浸潤が、1日、3日目より減弱し、中等度の炎症性細胞浸潤が認められ、線維性結合組織の増加も認められた。実験群は対照群に較べて、その炎症反応はちわく残存し、歯根の根尖部にはわずかな吸収像が認められた。14日目では、対照群は根尖部歯根膜組織の炎症性細胞浸潤が7日目より減弱し、線維性結合組織はさらに増加し、根尖部には根尖の閉鎖傾向が認められた。実験群は対照群に較べ、炎症反応は強く、根尖部の吸収像が認められた。28日目では、対照群において根尖部歯根膜組織の炎症性細胞浸潤がほとんど認められず、線維性結合組織は14日目よりさらに増加し、歯根の根尖部には閉鎖傾向が認められた。 以上の結果より、FCの根管内貼用は、抜髄後の根尖部歯周組織の創傷治癒に対して、抑制的に働くことが示唆された。
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