1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570916
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 隆志 岡山大学, 歯学部, 教授 (80034172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂田 全亮 岡山大学, 歯学部附属病院, 助手 (80179291)
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Keywords | 義歯床下組織 / 持続的加圧 / 最高血圧値 / 病理組織学的変化 / 組織計画 |
Research Abstract |
義歯床下組織に加えられる持続的圧力の基準として最高血圧を用い、義歯床下組織に加えられる持続的圧力の大きさと義歯床下組織の変化との関連について病理組織学的ならびに組織計側的に検討を加えた。 12週齢のウィスター系雄性ラット60匹の上顎臼歯部に接着線レジンを用いて接着したタメタルフレームを介して装着した義歯床により、口蓋の片側の義歯床下組織に対して最高血圧(約120mm Hg=163g/cm^2)の50%、100%および150%の圧力を持続的に加え、義歯非装置側を対照とした。義歯装置の3,7,14および21日後に上記の各圧力値毎に5匹の動物を屠殺し、採取した口蓋組織を10%中性緩衝ホルマリンで固定し、10%EDTAで脱灰ののちパラフィン包埋し、6μmの頬舌的切片としてヘマトキシリン・エオジン染色を施し検討を加えた。 義歯装着7日までは、病理組織学的には上皮突起と結合組織乳頭の変形あるいは短縮、結合組織線維の密度の増加と走行状態の変化、結合組織の非薄化、破骨細胞の出現、上皮基底細胞の配列の乱れと変性傾向、ならびに上皮細胞の圧扁と上皮の非薄化などの変化が経時的に認められた。これらの組織反応は圧力値の増大につれてその発現が早期になるとともに強度になる傾向を示した。また、組織計測的には、組織の圧扁は上皮突起と結合組織乳頭、結合組織、上皮の順にみられ、病理組織学的所見と同様の傾向がみられた。 本研究に用いた義歯床を義歯床下組織に対して無圧の状態で装着した場合には40週に至るまで殆ど脱落しないことが経験されているが、本研究においては義歯床からメタルフレームに対して持続的に離脱力が作用したため、義歯装着14日後以降には義歯床がメタルフレームとともに脱落した実験例が多く、明確な所見を得ることができなかったので、現在メタルフレームの接着強度の向上について検討を行っている。
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