1988 Fiscal Year Annual Research Report
シェーグレン症候群における耳下腺・顎下腺の超音波断層像について
Project/Area Number |
63570925
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福田 博 北海道大学, 歯学部, 教授 (30001019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 正 北海道大学, 歯学部, 助手 (80168062)
佐藤 隆文 北海道大学, 歯学部, 助手 (80178748)
小林 一三 北海道大学, 歯学部, 助手 (70170305)
大森 桂一 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (40125290)
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Keywords | シェーグレン症候群 / 超音波断層像 |
Research Abstract |
1987年1月から1988年11月までに北海道大学歯学部附属病院を受診し、シェーグレン症候群と診断された患者78症例(厚生省シェーグレン病研究班診断基準による確実例62例、疑い例16例)を対象とし、超音波断層像を中心に、唾液腺造影像および病理組織学的所見との関連を検討し、次のような結果(中間的)を得ている。 1.シェーグレン症候群患者の耳下腺および顎下腺の超音波断層像に、病的変化として、内部エコーの不均一性が認められた。 2.その内、点状の高エコー像が散在するものを「やや不均一」、点状の高エコー像のサイズが大きく、時に、線状を呈するものを「不均一」の2つのタイプに分類できた。 3.超音波断層像と耳下腺造影像(福田らのシェーグレン症候群の唾影像分類による)との対比では、唾影像上の病的変化が進行するにつれて、「やや不均一」から「不均一」の比率が増し、最も進行したIV型ではほとんどすべてが「不均一」を呈した。 4.耳下腺と顎下腺の超音波断層像の比較については、唾影像でI,II,IV型を示した群では両者に差がなかったが、III型群には差があり、顎下腺ではほとんどすべてが「不均一」を呈した。 5.同一患者における耳下腺と顎下腺の比較では、顎下腺の方に、より強い変化を呈する傾向があった。 今後、さらに多くの症例について検討すると共に、病理組織学上の所見(細胞浸潤、腺の破壊、線維化、脂肪化など)と超音波断層像上の変化との関連、また、他の病因による慢性唾液線炎の超音波断層像とも比較検討し、1の所見がシェーグレン症候群に見られる特異的な所見であるか否かについても検討したい。
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