1989 Fiscal Year Annual Research Report
シェ-グレン症候群における耳下腺・顎下腺の超音波断層像について
Project/Area Number |
63570925
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福田 博 北海道大学, 歯学部, 教授 (30001019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 正 北海道大学, 歯学部, 助手 (80168062)
佐藤 隆文 北海道大学, 歯学部, 助手 (80178748)
小林 一三 北海道大学, 歯学部, 助手 (70170305)
大森 桂一 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (40125290)
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Keywords | シェ-グレン症候群 / 超音波断層像 |
Research Abstract |
昨年の中間報告の結果を参考にして、他の唾液腺疾患との鑑別診断の観点から、観察方法を多少修正し、新たに、1988年1月から1989年12月までに当科を受診した132症例を対象として検討した。症例の内訳は厚生省シェ-グレン病研究班診断基準の確実例57例、疑い例47例、その他に、慢性上行性唾液腺炎28例である。その結果、次のことが明らかになった。1)シェ-グレン症候群の超音波断層像では、耳下腺および顎下腺の内部エコ-の不均一性が高頻度に見られた。この内部エコ-の不均一性の程度は、唾液腺造影像にもとずくシェ-グレン症候群の病変の進行程度と強い相関関係が認められた。しかし、慢性上行性唾液腺炎においても内部エコ-の不均一性が軽度に見られる症例もあり、この所見がシェ-グレン症候群だけに、必ずしも特異的な所見ではなかった。したがって、内部エコ-の不均一性だけでは、特に、慢性上行性唾液腺炎とシェ-グレン症候群II型との鑑別はむずかしい。しかしながら、顎下腺のエコ-レベルの上昇、顎下腺の境界の不明瞭化、顎下腺の辺縁の不規則化、顎下腺のhaloなど顎下腺に関する所見が、シェ-グレン症候群には強く現われ、慢性上行性唾液腺とシェ-グレン症候群II型では様子が大きく異なっており、鑑別診断がある程度可能である。2)耳下腺および顎下腺の内部エコ-の不均一性の程度と耳下腺あるいは口唇腺の病理組織学的所見との関係を見ると、“Homo"から“Het-1"までは強い相関関係が認められるが、“Het-2"以上に関しては逆の相関となった。内部エコ-の不均一性の程度は病理組織学的変化の中でも、特に、導管周囲の細胞浸潤の程度と関連しているように思われた。
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