1989 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトロ腔癌における癌遺伝子の免疫学的及び分子生物学的研究
Project/Area Number |
63570929
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Research Institution | Tokyo Medical & Dental University |
Principal Investigator |
塩入 重彰 東京医科歯科大学, 歯学部・第一口腔外科, 講師 (90124693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 信夫 東京医科歯科大学, 歯学部・口腔細菌, 教授 (60089951)
塩田 重利 東京医科歯科大学, 歯学部・第一口腔外科, 教授 (70041267)
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Keywords | ヒトロ腔癌 / 癌遺伝子 / RB遺伝子 / 転写調節領域 / 活性化ras / myc |
Research Abstract |
ヒト活性化c-H-ras-1(=ras)における未知の転写調節領域の解析とそれに対する活性化型c-mys(=myc)の作用について分子生物学的及び免疫学的解析を行い以下の結果を得た。 (1)codingエキソンI,II,III,IVの全てを含むが、それ自身のプロモ-タ-を欠くrasの2,9kb.Sac1断片(=EJ2,9)内のイントロン0に於ける種々の欠失変異対(=dl.)を作製し、MomsvのLTRを逆向きに結合し、培養細胞に導入することによりそのトランスホ-ム能の変化を調べた。その結果、エキソン1のATGコドンのAを+1、その1bp.上流の塩基を-1として、d1-144からd1-61の間でトランスホ-ム能が低下した。その結果はmycをco-transfectionした場合でも同様であった。したがって、イントロン0のこの領域に転写調節領域があると考えられる。転写開始部位については検討中である。 (2)EJ2,9を組み込んだ種々のPlasmidとmycとのco-transfectionで得た各トランスフォ-マントに於いて、rasとmycのmRNAが合成されていることをNorhternblottingで、また、活性化型P21が作られている事を、Westernblottingにて確認した。 以上、昨年度の結果と考え合わすと、rasのイントロン0内に、トランスフォ-ミング能に影響を与える転写調整領域が存在し、EJ2,9のトランスフォ-ミング能に対し、LTRとmycが、相互作用としてpositiveに働いていると考えられる。 2.口腔癌細胞株に於けるRB遺伝子及び活性化型c-H-ras一について (1)7例の口腔癌細胞株に於いて、RB遺伝子の発現を、Northernblottingにて検索した結果、TGF-βによる増殖抑制の有無に関わらず、RB遺伝子の発現を確認した。 (2)(1)で用いた細胞株の内、最も転移しやすい1例についてrasの産物であるP21をWesternblottingを用いて検索した結果、活性化型P21は検出できなかった。
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Research Products
(1 results)