1988 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節疾患における核磁気共鳴画像法の診断学的価値の判定
Project/Area Number |
63570944
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
岡野 友宏 昭和大学, 歯学部歯科放射線学教室, 教授 (20124688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 浩志 昭和大学, 歯学部歯科放射線学教室, 助手 (20208309)
樋口 恭恵 昭和大学, 歯学部歯科放射線学教室, 助手 (40208757)
川田 雅章 昭和大学, 歯学部歯科放射線学教室, 助手 (30177696)
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Keywords | 磁気共鳴映像法 / 顎関節 / 関節円板 / 動態観察 |
Research Abstract |
顎関節内障の画像診断の主たる目的は関節円板の位置と形態を把握することである。MRIを顎関節内障の診断に利用する試みはこの数年に数多くなされ、ことに高磁場MRIによるスピンエコーT1強調画像は空間、組織分解能に優れ、さらにグラデイエントエコー法による高速イメージングは円板の動態観察に優れており、その診断学的価値は確立されつつある。本研究の目的は中磁場のMRI装置について、その最適な撮像条件を検討し、その診断学的価値を判定することである。 対象は現在TMJに自覚症状のある患者、および症状のないボランティアの、合計30の顎関節であった。使用した装置は超電導型0.5テスラの東芝製MRT50Aで、患者を仰臥位とし、直径10cmの円形の表面コイルを顎関節の中央にくるように配置した。3つの異なる撮像条件、すなわちスピンエコーT1強調像(TR=500ミリ秒、TE=40ミリ秒、スライス厚さ=5mm)、動態観察のための高速イメージングとしてのグラジエントエコー法(TR=55ミリ秒、TE=14ミリ秒、スライス厚さ=5mm、フリップ角=30°)、3DFT法(TR=50ミリ秒、TE=14ミリ秒、スライス厚さ=2mm)を用いた。その結果、1 円板の形態や位置はいづれの撮像条件においても観察可能であり、ことに3DFTによる像が高いコントラストを有し、それを最も把握しやすい、2 開口に伴う円板の移動、外側翼突筋の収縮は1分未満の短時間撮像の可能なグラデイエントエコー法によって把握しうる、3 造影による描出が困難な円板後部の付着部を観察できる、といえた。 今後の研究課題はMRI所見と、手術、病理所見とを対比し、顎関節内障の画像診断過程におけるMRIの位置づけを明らかにしていくことと考える。
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Research Products
(2 results)