1989 Fiscal Year Annual Research Report
静脈内鎮静法に用いる薬剤の好中球化学発光に及ぼす影響について
Project/Area Number |
63570946
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
吉村 節 昭和大学, 歯学部, 助教授 (50112735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井汲 周治 昭和大学, 歯学部, 助手 (70211026)
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Keywords | ベンゾジアゼピン / ミダゾラム / ジアゼパム / 好中球 / 化学発光 |
Research Abstract |
静脈内鎮静法に使用する薬剤のうち、ジアゼパムと水溶性ベンゾジアゼピン系薬剤のミダゾラムについて、好中球化学発光に及ぼす影響を測定した。化学発光の測定は次のように行った。すなわち、ヒト末梢血をEDTAで採取し、Ficall-conray比重遠沈法して好中球を分離後、Hanks酸にて2×10^6個/mlの好中球浮遊液を調整した。膜刺激的質と1.2血清処理ザイモザンあるいはphorhol myrostati aceteteを使用した。さらにルミノ-ルを加えてATP Photomctorにより好中球化学発光のpeak intencityを測定した。(1)ジアゼパムについては、健常人に0.2mg/kg投与し鎮静法を施行した際のジアゼパム血中濃度と好中球化学発光への影響を検討した。その結果、0.2mg/kgジアゼパム投与後3分、15分、30分のジアゼパム血中濃度はそれぞれ平均14.1mg/ml、3.1mg/ml、2.0mg/mlであった。好中球化学発光のpeak intencityは投与前を100%とすると、投与後3分、15分、30分でそれぞれ85.7%、94.6%、92.1%と減弱傾向を示した。このことから、ジアゼパムによる鎮静法施行時にも一時的に好中球化学発光が減弱する可能性が示唆された。(2)ミダゾラムについては、in vitroで1〜80μg/mlの濃度について好中球化学発光を測定し、前年度に行ったジアゼパムでの結果と比較検討した。その結果、ミダゾラムは10〜80μg/mlの濃度においては好中球化学発光を濃度依存性に減弱したが、その程度はジアゼパムに比較して軽度であった。1〜5μg/mlの低濃度においてはミダゾラム添加によりむしろ好中球化学発光が増強する傾向を認めた。以上の結果から、水溶性ベンゾジアゼピン系薬剤のミダゾラムは好中球化学発光を減弱するがその程度はジアゼパムよりも軽度であることが判明した。
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