1990 Fiscal Year Annual Research Report
X線CT装置による三次元再構築および骨塩定量を用いた成長発育研究
Project/Area Number |
63570971
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
大塚 純正 昭和大学, 歯学部, 講師 (80129816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
槙 宏太郎 昭和大学, 歯学部, 助手 (80219295)
柴崎 好伸 昭和大学, 歯学部, 教授 (40014005)
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Keywords | X線CT / 断層部位再現性 / ファントム / 骨密度 / X線減弱係数 / Ca_<10>(PO_4)_6OH_2 / 三次元再構築 / 骨添加,吸収 |
Research Abstract |
本研究において開発されたCT撮影方法によって以下に示す結果が得られた。 1)断層部位再現性について; 2度の断層撮影における同一計測点間の距離の差を比較した結果、一度目と二度目の計測誤差は、最大誤差率1.6%、最小誤差率0.7%となった。 2)ファントムのCT値補正精度について; いずれの条件下においても、Ca濃度とCT値との間には、高い相関性(1%有意水準)が認められた。また、それぞれの相関係数には有意な差は見られず、撮影条件による影響は示されなかった。CT装置間における誤差は、X線減弱係数表示レベルの差から約10%となった。とくに、Ca_<10>(PO_4)_6OH_2を用いたファントムはCaCO_3に比べて装置間の誤差を小さくすることが可能であることが判明した。 したがって、本方法により、顎顔面骨における骨密度の変化が形態変化ともに三次元的に観察することが可能となった。 さらに、本研究で開発された補正ファントムおよび三次元独構築時の基準とする顔面マスクを用いて、6歳から16歳までの男子20名を被験者として下顎骨の骨密度分布を測定した結果、骨密度は頬側皮質骨が舌側皮質骨よりも高い値を示し、年令の増加に伴ってCT値も増加していることが認められた。また、三次元的には、臼歯部骨体、筋突起部、下顎枝後縁に高密度領域の集中が見られた。しかし、従来、骨添加が旺盛とされる顎角部には、他に比して高い領域が確認されず、従来定説とされている点に疑問が残された。 今後は、さらに、被験者数を増やすとともに縦断的な資料を採得したうえで、考察する必要があるものと考えられる。
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