1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570976
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
桑原 未代子 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助教授 (40070940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糟谷 政代 名古屋大学, 医学部, 助手 (20109325)
辻川 孝昭 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助手 (40142583)
吉村 陽子 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 講師 (20129737)
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Keywords | 口唇裂 / 早期形成術 / 口蓋床 |
Research Abstract |
本学においては、唇顎口蓋裂治療班が結成されて包括的治療を目指している。特に現状まで生後3カ月以降に行われてきた口唇裂の形成術を可及的早期に行い、患児の保護者の不安を除くべく努力を払っている。しかし、過去早期口唇形成術をがその後の顎顔面頭蓋の成長を阻害すると考えられてきた。そのため、早期口唇形成術施工はこのような阻害が起きないよう、また、より良好な結果をもたらすべく努力している。この早期口唇形成術に伴い、口蓋床を使用したが、昭和63年度においてその効果はつぎの通りであった。 1.片側性、両側性ともに患児の哺乳量が確実に獲得でき、体重増加も順調であった。低体重児についても生後6カ月以内に標準体重を獲得していた。片側性の患児は生後2日〜14日以内に口唇形成術を行うため、哺乳量増加の停滞がみられたが、生後4週〜6週で形成術を行った両側性の患児については極めて良好な発育を示した。 2.M.Hotzは口蓋床の使用により口唇口蓋裂の手術を幼児期後期に行っているため、早期口唇形成術を行った場合には口蓋床の使用法でいくつかの問題点を見出した。そのため、口蓋床の作製に改良を加え、早期口唇形成施行とともに鼻翼の陥凹阻止、患側顎骨の唇側誘導を行い良好な結果を得つつある。 3.発音機能に関して本年度においては対照群、すなわち、現状までの口唇口蓋裂児に対する処置を行ってきた患児のパナトグラムによる検索を行った。来年度においては早期口唇形成術を行った患児に対して同様の検索を行う予定である。 以上の結果のほか、口唇口蓋裂児においては顎幅径に異常がみられ、特に生後2〜3カ月の成長が優位であることが確認でき、かつ口輪筋の活動が早期口唇形成術児において良好であることがわかった。
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Research Products
(2 results)