1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570976
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
桑原 未代子 藤田学園保健衛生大学, 医学部・歯科, 助教授 (40070940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糟谷 政代 名古屋大学, 医学部・歯科口腔外科, 助手 (20109325)
辻川 孝昭 藤田学園保健衛生大学, 医学部・口腔外科, 助手 (40142583)
吉村 陽子 藤田学園保健衛生大学, 医学部・形成外科, 講師 (20129737)
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Keywords | 唇顎口蓋裂 / 口蓋床 / 早期口唇形成術 / 顎顔面頭蓋の成長 |
Research Abstract |
本学の唇顎口蓋裂診療班が結成されて以来、本年度末には100例以上の来院が見られ、よりよい結果をもたらすべく班員一同の結束が固められている。本年度の年研究の結果はつぎの通りである。 1)口蓋床を確実に装着した例では、歯齢IC期において正常児と差ない両側乳犬歯咬頭頂間距離を示した。本年度早期口層形成術し施行して満3歳になった本疾患児は、M・Hotzの原型に準じた口蓋床を装着していたが、正中線偏位はみられたものの、上下顎両側乳犬歯の咬合関係は1例を除いて正常であった。すなわち、切歯咬合関係は反対咬合であっても、上下顎骨の前後的関係が良好であることを意味するとともに、破裂側顎骨が近心へ移動し、良好な成長がみられたことを示すものである。現在改良型口蓋床を使用した症例ととも頭部X線規格写真により検討中。 2)口蓋裂手術は2回法で行っているため、術後鼻咽頭閉塞不全が僅かにみられる例がある。しかし、他の口腔機能、咀嚼能率、吸収力,子音構成などの機能は充分に獲得している。また、改良型口蓋床装着例は鼻翼の陷凹がなく、良好な結果を得ている。 3)発育機能検査にはパラトグラムを使用しているが、パラトグラム用人工口蓋床の維持が乳歯咬合期では極めて困難であり、そのため検査が順調に行い得ないため、使用済の本床を再生,または咬合発育によって不敵になった床を上質の既成アダムス・クラスプを用いて修理し、本年度はパラトグラム用人工口蓋床の新製を行わなかった。これにより製作費が高い本床を有効に使用し、多くの患児に構音機能を検査し得るようにした。本年度は、対照群の検査を継続して行った。 以上の結果の他、口蓋床を使用しした患者は良好な顔面形態を有し、長型の顔貌を有するものはみられなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 岡達,中島龍夫,桑原未代子,山崎俊夫,内藤雅夫,加藤黎子: "唇顎口蓋裂のチ-ム・アプロ-チ" 現代医療.
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[Publications] 青山位子,桑原未代子,辻川孝昭,日比五郎,岡達,中島龍夫,吉村陽子,大須賀明子: "早期口唇形成術に併用した口蓋床の効果-身長・体重変化および両側性唇顎口蓋裂の早期顎矯正-" 日本形成外科学会雑誌.
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[Publications] 桑原未代子,辻川孝昭,青山位子,久保育子,杉浦直樹: "唇顎口蓋裂に用いる口蓋床の改良" 日本小児歯科学会.
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[Publications] 辻川孝昭,桑原未代子,青山位子,日比五郎,岡達,吉村陽子,中島龍夫: "早期口唇形成術を施行した唇顎口蓋裂児の顎・顔面頭蓋成長" 日本口蓋裂学会雑誌.