1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570998
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
國枝 武久 熊本大学, 薬学部, 教授 (80012649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石塚 忠男 熊本大学, 薬学部, 教務員 (60176203)
永松 朝文 熊本大学, 薬学部, 助手 (40155966)
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Keywords | 2-オキサゾロン / キラル合成子 / キラル補助剤 / アミノアルコール / スタチン / 水酸化グルタミン酸 / β-ラクタム合成試薬 |
Research Abstract |
本研究は、アミノアルコール系生理活性物質類の汎用性高い合成プロセスを簡単な複素環2-オキサゾロン体を構築材として開発することを主目的とする。基本戦略として多目的キラル合成子への誘導とその立体特異的変換を鍵とする手法を検討した。 1.汎用性キラル合成子の開発:新規キラル補助剤として汎用性高い優れた2-アルコキシ-7、7-ジメチルビシクロ(2、2、1)へプタンカルボン酸類をまず開発した。これを用いるジアステレオ選択的手法により、アミノアルコールキラル合成子を90-97%、e.e.で得るプロセスの開発に成功した。付加試薬PhSeClとBr_2を使い分けることにより両対掌体を光学収率よく合成できることも明らかになった。この知見は全く新しい崩芽的成果であり今後の興味ある展開が期待できる。 2.生理活性アミノアルコール類への高効率変換:上記キラル合成子を用いることにより、天然立体配置の生理活性水酸化アミノ酸類即ち、スタチン、水酸化グルタミン酸、GABOB体などを99%e.e.以上の光学純度で合成することに成功した。 3.合成試薬の開発と応用:関連研究として開発したオキサゾロン骨格により活性化されたリン試薬は脱水縮合試薬としてすぐれており、β-アミノ酸からβ-ラクタム環合成に最も適していることを明らかにした。 ここに得られた広い応用範囲と高い汎用性を持つ基幹合成プロセスの開発は有機合成化学上の興味に留まらず医薬品を含む有用生理活性物質の創製生産等に連なる幅広い可能性を秘めている。所期の目的は概略達成することが出来た。なお、本研究費により購入した旋光度計は上記成果(1)および(2)をあげるのに極めて有用であった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] TAKEHISA KUNIEDA.: J.ORG.CHEM.53. 3381-3383 (1988)
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[Publications] TAKEHISA KUNIEDA.: TETRAHEDRON LETTERS. 29. 2203-2206 (1988)
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[Publications] TAKEHISA KUNIEDA.: YAKUGAKU ZASSHI. 108. 593-603 (1988)
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[Publications] TADAO ISHIZUKA: TETRAHEDRON LETTERS.
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[Publications] TADAO ISHIZUKA: J.ORG.CHEM.