1990 Fiscal Year Annual Research Report
高い抗カビ活性をもつ新ペプチド抗生物質ヒスチジノマイシンの精製法の改良と構造解析
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63570998
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
金田 幸 広島大学, 医学部, 助教授 (40019675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 昭四郎 広島大学, 医学部, 教授 (40013304)
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Keywords | ヒスチジノマイシン / ペプチド抗生物質 / 抗カビ抗生物質 / 多孔性合成吸着剤 / 逆相中圧カラムクロマトグラフィ- / 高分解能FABーMS / アミノ酸のDNP誘導体 / ヒスチジン |
Research Abstract |
[1]ヒスチジノマイシンの精製法の改良.ヒスチジノマイシン(HM)生産菌株Streptomyces thermotoleranceを培養し,その培養濾液からブドウ晩腐病菌Glomerella cingulataに対する阻害活性を指標して,HMの抽出とそれに続く精製についてさらに検討を加えた.その結果,培養濾液中のHMは,多孔性合成吸着剤Sepabeads SPー207に吸着され,100%メタノ-ルで溶出できることが判明した.ここで得られるメタノ-ルエキスは従来法(活性炭吸着ーアセトン塩酸溶出)^<1)>で得られるそれよりも夾雑物が少なく以後の精製法を短縮簡便化することができた.このメタノ-ルエキスはアシノプロピルシリカの逆相中圧カラムクロマトグラフィ-にかけ,最初は水で不純物を洗浄除去後80%メタノ-ル(pH2)で溶出して純粋に近いHMを得,これをさらに分取逆相HPLC(Inertsil PREPーODS,2x25cm,phosphate buffer(pH7.3)ーメタノ-ル9:1)によって純粋なHMまで精製できた. [2]HMの化学的および物理化学的性状と構造解析.(1)HMのFABーMSよりHMの分子量は,643と決出された。(2)HMは定性反応より分子内に硫黄原子を持つことを推定された.(3)HMの13C NMRより炭素数は24と推定される.(4)硫酸塩の高分解能FABーMSの測定値[MH]^+は,644.2090であり,これより分子式はC_<24>H_<37>N_9O_6S_3(Calcd.644.2047)と推定される.(5)HMは完全加水分解により3種のアミノ酸を与え,その1つはヒスチジンと同定された。残る2種は非タンパク系アミノ酸と推定されるので,HMの加水分解物をDNP化し,分離精製して構造を検討中であり,HMはヒスチジン2分子とアミノ酸X,アミノ酸Yからなるペプチド構造を持つものと推定される.1)石丸,石田,上尾,中村 J.Antibiotics,36,1644,1983.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 金田 幸: "Histidinomycin,a new antifungal antibiotic.II.Isolation,purification and physicoーchemical properties." The Journal of Antibiotics.
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[Publications] 金田 幸: "Hisidinomycin,a new antifungal antibiotic.III.Structure elucidation." The Journal of Antibiotics.