1988 Fiscal Year Annual Research Report
高度な光化学的酸化能を有する複素環Nーオキシドの構築とその応用
Project/Area Number |
63570999
|
Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
牧 敬文 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (00082959)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北出 幸夫 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (20137061)
酒向 孫市 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (10137060)
広田 耕作 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (90082982)
|
Keywords | 含窒素複素環Nーオキシド・ピリミド[54ーg]プテリジンーNーオキシド / 光化学的酸素原子添加反応 / 光化学反応機構 / 生体内代謝の化学モデル |
Research Abstract |
1.ピリミド[5.4ーg]プテリジンーNーオキシド(1)による光酸化反応の機構解明;(1)によるオレフィン類(シクロヘキセンやノルボルネン)の光酸化は、光励起下に遊離する原子状酸素によるものではなく、オレフィン類から励起一重項状態の(1)への一電子移動により惹起されることを明らかにした。また、このことより、(1)による光酸化と代謝酵素による一原子酸素添加反応との機構的類似性を指摘した。 2.(1)の類縁Nーオキシドの合成:構造及び物理的性質と光酸化能との関連を明らかにするため、(1)の類縁Nーオキシド{アロキサジンNーオキシド誘導体(2)とフェナジンーNーオキシド(3)}を合成し、それらの物理的性質と光酸化効率を(1)の場合と比較した。その結果(2)と(3)は(1)に比べて光に不安定であり、光酸化能も劣ることが判明した。さらに、入手可能な他の含窒素複素環Nーオキシド類についても同様に検討したが、試みたNーオキシド類のうちで(1)の光酸化効率が最も良く、光酸化能に対する(1)の構造特異性を指摘した。 3.(1)による医薬品の光酸化反応:(1)による光酸化反応と生体内代謝とを比較するため、代謝過程が明らかな医薬品として、我々等により開発された非ステロイド系鎮痛消炎剤エモルファゾン(4)を選び、(1)による光酸化反応を詳細に検討した。その結果、本反応において、(4)の主な代謝産物の一つとその反応中間体を単離し、それらの生成機構の考察から(4)の代謝機構に示唆を与えた。また、(1)による光酸化が医薬品の生体内代謝化学モデルとなりうることを示した。 4.(1)による生体成分の光酸化反応:フラボノイド類の生合成前駆体2′ーヒドロキシカルコン誘導体の(1)による光酸化において、対応するフラボン誘導体を高収率で得、その生成機構の考察からフラボノイド類の生合成機構に示唆を与えた。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 牧敬文: Tetrahedron. 44. 3187-3194 (1988)
-
[Publications] 牧敬文: Chem.Pharm.Bull.36. 1714-1720 (1988)
-
[Publications] 牧敬文: "studies in Organic Chemistry 33"The Role of Oxygen in Chemistry and Biochemistry"" ELSEVIER, 465-470 (1988)