1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63571002
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
竹田 忠紘 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (90106253)
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Keywords | イケチョウガイ / 糖脂質 / Lipid IV / グルクロン酸 / アセタール / 細胞表層糖脂質 / 受精機構 |
Research Abstract |
淡水真珠母貝のイケチョウガイの精子及び卵子に含有される糖脂質においては、配偶子細胞の両者で著しい構造の相異が推測される。現代の脂質生化学は構造研究と共に細胞表面物質としての糖脂質の機能を追い求めている。堀等はイケチョウガイ精子特有の酸性糖脂質Lipid IVの構造をGlcA4Me(1→4)Fuc(3←1)GalNAc3Me(1→4)GlcNAC(1→2)Man(2←1)xyl(1→3)Man(1→4)Glcーceramideと決定した。モデル化合物の合成並びに全合成を目標とし、個々の修飾ならびに縮合を逐次行った。即ち、フコースのトリメチルシリルエチルグルコシドをイソプロピリデン化し、ベンジル化、酸加水分解、さらにオルソエステル法によるCー4位水酸基のアセチル化を行い、3ー位フリーのフコース(1)とした。Nーアセチルガラクトサミン部は、ガラクタールのCー3位水酸基の位置選択的メチル化、アジドナイトレーション等を経由し、4,6ージアセチルー2ーアジドー3ーメトキシブロマイド(2)とした。4ー位にメトキシ基を有するグロクロン酸誘導体はメチルグルコシド誘導体を出発原料とし、4ー位をメトキシ化後、Cー6位水酸基の酸化等を行い、2、3ージアセチルー4ーメトキシグルクロン酸メチルエステルブロミド(3)を合成した。化合物(1)と(2)をHg(CN)_2ーHgBr_2にて縮合すると87.4%でαーグリコシド体(4)を与えた。(4)を脱アセチル化し、イソプロピリデン化、(3)と縮合させ、50.2%の収率で三糖誘導体(5)が得られた。(5)は順次、脱保護を行うことによりGlcA4Meβ(1→4)Fuc(3←1)αGalNAC3Me(6)を与えた。尚、化合物(3)を誘導する際アセトリシス反応を行い、興味ある反応機構を見い出すと共に、得られたアセタール誘導体がR.Sの混合物であることから、高速液体クロマトグラフィー(HPLCー購入した設備備品)を用い、各々を分離、精製し、R体をXー線結晶構造解析を行ない、新規糖誘導体であることを明らかとした。現在得られた非還元末端部三糖を更に鎖長を延長すべく、グルコサミン、マンノースの誘導体を作成中で、全合成をめざしている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Osamu Kanie: Carbohydrate Research. (1989)
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[Publications] Osamu Kanie: Carbohydrate Research. (1989)
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[Publications] Osamu Kanie: Carbohydrate Research. (1989)