1989 Fiscal Year Annual Research Report
高度にアルキル化されたピペラジンを含む生物活性天然物の合成研究
Project/Area Number |
63571010
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Research Institution | Meiji College of Pharmacy |
Principal Investigator |
久保 陽徳 明治薬科大学, 薬化学教室, 教授 (60097201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 龍也 明治薬科大学, 薬品学教室, 助手 (80217645)
齋藤 直樹 明治薬科大学, 薬化学教室, 助手 (80142545)
中原 伸輔 明治薬科大学, 薬化学教室, 講師 (60180337)
北原 嘉泰 明治薬科大学, 薬化学教室, 講師 (70114460)
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Keywords | 抗生物質 / イソキノリンキノン / サフラマイシン / 全合成 / 部分合成 / ピペラジン / ピペラジン-2、5-ジオン / 保護基 |
Research Abstract |
最近、硬度にアルキル化されたピペラジンを含む生物活性天然物が報告された。これらは一般に新規骨格を有するため有機合成化学者のタ-ゲットとなっている。本研究では特に抗腫瘍活性を有する抗生物質サフラマイシンに焦点を絞りピペラジン-2、5-ジオンからその部分合成および全合成を行い中間体を含めたすべての合成品の生物活性を検定し本群化合物の構造と活性の相関を明らかにすることを目的とした。まず、部分合成については天然物の骨格を2つに分け4-メトキシベンジル基をアミド窒素の保護基として用いて1から6工程で得られるモノメチル体2を共通中間体としてそれぞれを合成した。すなわち、2からアミノアセタ-ルを経る改良Pictet-Spengler法を鍵反応として5工程で左半分3を合成した。一方、2から容易に得られる4の5位カルボニルの部分還元引き続く酸触媒閉環反応を鍵反応として7工程で右半分5を合成した。こらに二酸化セレンにより5の6位に選択的に水酸基を導入してアルコ-ル6とした後、6から7および8を合成した。次に天然物の全合成研究に関しては基本的には我々の1からサフラマイシンBへの全合成経路を用いることとした。まずサフラマイシンAの合成に関してはすでに合成したラクタム9はその後の変換に不適当であることから新たに1からラクタム10を合成した。また、アルコ-ル11から海洋天然物レニエラマイシンAの合成を目的として4工程で天然類緑体12の合成に成功し超電導NMRスペクトルの詳細な解析から天然物の9位立体配置を訂正した。現在、サフラマイシンBからサフラマイシンCおよびDへの変換ならびにすべての合成品の生物活性の検定を検討中である。このように本研究で得られた知見は他のピペラジンを含む天然物の化学的研究に貢献できると考えている。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] AKINORI KUBO: "SYNTHESIS OF SAFRAMYCINS.II.PREPARATIONS AND REACTIONS OF N METHYL 2,5 PIPERAZINEDIONES." Chem.Pharm.Bull.,. 36. 2607-2614 (1988)
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[Publications] AKINORI KUBO: "STEREOSELECTIVE TOTAL SYNTHESIS OF( )SAFRAMYCIN B" J.Org.Chem.53. 4295-4310 (1988)
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[Publications] YUZURU MIKAMI: "STRACTURAL STUDIES ON MINOR COMPONENTS OF SAFRAMYCIN GROUP ANTIBIOTTCS SAFRAMYCINS F,G,AND H." J.Antibiot.41. 734-740 (1988)
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[Publications] NAOKI SAITO: "A FACILE SYNTHESIS OF 1,2,3.4 TETRAHYDROISOQUINOLINES THROUGH CYLCIZATION OF O,N ACETALS.II.SYNTHESES OF ISOQUINOLINEQUINONE ANTIBROTICS." Chem.Pharm.Bull.,. 37. 1493-1499 (1989)
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[Publications] NAOKI SAITO: "SYNTHESIS OF SAFRAMYCINS.III.PREPARATION OF A KEY TRICYCLIC LACTAMINTERMEDIATE TO SAFRAMYCIN A." J.Org.Chem.54. 5391-5395 (1989)
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[Publications] NAOKI SAITO: "SYNTHESIS OF SAFRAMYCINS.IV.SELENIUM OXIDE OXIDATION OF 4 OXO HEXAHYDRO 1,5 IMINO 3 BENZAZOCIN 7,10 DIONE;PROMISING METHOD TO CONSTRACT SAFRAMYCINS C AND D FROM SAFRAMYCIN B." Chem.Pharm.Bull.38. 821-823 (1990)
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[Publications] NAOKI SAITO: "SYNTHESIS OF SAFRAMYCINS.V.SYNTEESIS OF SAFRAMYCINS C AND D FROM SAFRAMYCIN B." J.Org.Chem.
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[Publications] NAOKI SAITO: "TOTAL SYNTEHSIS OF RENIERAMYCIN A AND ITS CONGNERS" Tetrahedron.