1988 Fiscal Year Annual Research Report
天然物をリード化合物としたDNAインターカレーターの合成および生物化学的研究
Project/Area Number |
63571011
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
古川 宏 名城大学, 薬学部, 教授 (00076712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井藤 千裕 名城大学, 薬学部, 助手 (60193497)
余合 基 名城大学, 薬学部, 助手 (80076736)
古川 秀之 名城大学, 薬学部, 教授 (20076714)
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Keywords | 天然物化学 / ミカン科植物 / クマリン / アクリドン / アルカロイド / カルバゾール / インターカレーター / 変異原性 |
Research Abstract |
1。ミカン科植物Glycosmis citrifoliaから新二量体アクリドンアルカロイドを単離、構造を決定した。二量体アクリドンとしては、天然から4番目の例である。 2。ミカン科ミカン属植物 舟床、清美×イヨ、テング、キクダイダイの成分を検索し、新しい二量体クマリンを初め新化合物13種を単離、構造決定した。これらの内、ビスオステノンと命名した化合物は四員環をもつ二量体クマリンでスペクトル法、X線結晶解析により構造を決定すると共に、オステノンの光反応によっても合成した。また構造未決定ではあるが、七員環をもつアクリドン類似のアルカロイドも単離し、構造研究を実施中である。 3。ミカン科ゲツキツ属植物Murraya paniculataおよびMurraya exoticaから新しい二量体カルバゾールアルカロイド、およびクマリンを単離、構造決定した。ゲツキツ属植物は、種の違いによりその含有成分に特徴的な相違があり、フィトケミカルな面からも興味がある。 4。天然からのカルバゾールアルカロイドムコナールをリード化合物とし、ピリドカルバゾール骨格のインターカレーター22種を合成した。これらについてエイムス法による変異原性テストを実施した。インターカレーションなどによるフレームシフト型の変異原性をしめすと考えられるTA-98、およびDNAとの共有結合などによる塩基対置換型の変異原性を示すと考えられるTA-100のいずれにおいても、アミノメチレン側鎖の導入は活性を増すことが認められた。 5。28種のアクリドンアルカロイドについて、抗ウィルス活性および抗マラリア活性を調べた結果、シトルシニン-Iに抗ウィルス活性を、グリコシトリン-I、デス-N-メチルアクロニシン、アタラフイリニンに強い抗マラリア活性を認めた。
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[Publications] Motoharu Ju-ichi.: Heterocycles. 27. 1451-1454 (1988)
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[Publications] Chihiro Ito.: Chemical Pharmaceutical Bulletin. 36. 2377-2380 (1988)
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[Publications] Motoharu Ju-ichi.: Chemical Pharmaceutical Bulletin. 36. 3202-3205 (1988)
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[Publications] Motoharu Ju-ichi.: Heterocycles. 27. 2197-2200 (1988)
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[Publications] Chihiro Ito.: Chemical Pharmaceutical Bulletin. 36. 3292-3295 (1988)
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[Publications] Chihiro Ito.: Chemical Pharmaceutical Bulletin. 36. 3805-3810 (1988)