1988 Fiscal Year Annual Research Report
硫黄原子の特性を利用する生理活性3-ベンズアゼピン誘導体の合成研究
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63571013
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
池田 正澄 京都薬大, 薬学部, 教授 (30028857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 弘行 京都薬大, 薬学部, 助教授 (70028869)
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Keywords | 2-フェネチルアミン / 3-ベンズアゼピン / 3-ベンズアゼピン-2-オン / スルホキシド / Pummerer反応 / X-線結晶解析 / セファロタキシン |
Research Abstract |
1.ベンズアゼピン誘導体の合成原料である2-フェネチルアミン誘導体の新規な簡便合成法を開発した。 2.N__--〔2-(3,4-Dimethoxyphenyl)ethyl〕-N__--methyl-2-(methylsulfinyl)acetamide(1)の塩化メチレン溶液をトリフルオロ酢酸無水物で0℃から室温で処理する。(A法)か、或はベンゼン中2当量のP__--toluene-sulfonic acidと水を除きながら還流する。(B法)と、1,3,4,5-tetrahydro-7,8-dimethoxy-3-methyl-1-methylthio-2H__--3-benzazepin-2-one(2)がそれぞれ54%および58%の収率で得られることを明らかにした。 3.A法を1,3,4,5-tetrahydro-7,8-dimethoxy-3-methyl-1-methylthio-5-phenyl-2H__--3-benzazepin-2-one(3)の合成に応用した。このとき5-フェニル基と1-メチルチオ基に関する2つの立体異性体が生成したが、副生成物のcis異性体のX-線結晶解析を行ないその立体構造を明確にした。 4.N__--〔2-(3,4-Dimethoxypheny1)ethy〕-N__--methyl-2-methylsulfinyl-2-phenylacetamideをA法で環化したところ、予期したベンズアゼピンの他に、脱メチルメルカプタンを伴って1,3-dihydro-7,8-dimethoxy-3-methyl-1-phenyl-2H__--3-benzazepin-2-oneが主生成物として得られた。 5.これらのベンズアゼピノン(1)〜(3)はLiAlH_4還元、Raney Niによる脱硫によって、対応するベンズアゼピンに導いた。 6.現在、このベンズアゼピンの新合成法を利用して、アルカロイド、セファロタキシンの合成研究を行っている。これまでに、文献に従って合成した6-(3,4-methylenedioxyphenyl)-1-azaspiro〔4.5〕dec-8-oneから誘導されるα-スルフェニルアセトアミドをB法を用いて環化すると、期待するベンズアゼピノン誘導体が得られている。
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Research Products
(1 results)