1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63571014
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
三野 芳紀 大阪薬科大学, 薬学部, 助教授 (60125119)
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Keywords | ムギネ酸 / シデロホア / 大麦 / 鉄取り込み / 調節機構 / リプレッサ- / 鉄結合性タンパク |
Research Abstract |
大麦などイネ科植物の鉄取り込みは、ムギネ酸などの植物シデロホアの根からの分泌によって調節されているが、その詳細なメカニズムはほとんど解かっていない。我々は、今までに、植物の根にムギネ酸ー鉄錯体の構造を認識するレセプタ-が存在し、鉄欠乏時にはムギネ酸の分泌と同時に、このレセプタ-タンパクが根の生体膜に動員されることによって、選択的な鉄取り込みが行なわれることを示唆した。さらに、鉄欠乏によって誘導され、鉄取り込みに何らかの関連が考えられる二.三のタンパク質を大麦中に検出した。 今年度は、鉄取り込みの調節機構を考える上で、最も重要なリプレッサ-タンパクに関する知見を得るため、鉄結合性タンパク質の検索を行なった。これは、植物体内の鉄濃度の指標になり得るリプレッサ-は、微生物の場合と同様、Fe^<2+>に中程度の親和性を有すると考えられるからである。しかし、Fe^<2+>と目的のタンパク質との親和性は、比較的弱い可〓能があるため、一般にFe^<2+>より強い親和性が期待できるCu^<2+>を固定化したカラムを調製し、金属キレ-トアフィニティ-クロマトグラフィ-を行なった。その結果、大麦中に約30種のCu^<2+>親和性タンパク質の存在を確認した。これらのタンパク質は、その分子表面にヒスチジンなどの塩基性アミノ酸残基をもっていると推定され、鉄結合性タンパク質である可能性も大きい。現在、 ^<59>Feを用いてその確認を急いでいる。
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