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1988 Fiscal Year Annual Research Report

脂肪酸による血小板機能制御機構に関する生物物理化学的研究

Research Project

Project/Area Number 63571020
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

北河 修治  徳島大学, 薬学部, 助手 (00108911)

Keywords脂肪酸 / 血小板 / 膜流動性
Research Abstract

リノール酸やリノレン酸等の不飽和脂肪酸は、血小板の凝集、放出反応を阻害する。これらの脂肪酸は膜の流動性を増大し、刺激に伴なう細胞内Ca^<2+>濃度上昇を抑制することによって血小板機能を阻害することを、著者はin vitroにおいてすでに明らかにしている。本研究では、脂肪酸の作用機構に関してさらに詳細な研究を行なった。そこでまず細胞酸の影響を検討した。その結果、不飽和脂肪酸は凝集阻害作用ならびに膜流動性増加作用と呼応して、サイクリックAMP濃度を増大させることがわかった。以上の結果より、不飽和脂肪酸は血小板膜の流動性増大を介してアデニル酸シクラーゼの活性を増大し、細胞内のサイクリックAMP濃度の増大を介して刺激に伴なう細胞内Ca^<2+>濃度上昇を抑制し血小板の凝集を阻害することがわかった。
一方、脂肪酸の膜流動性への影響の詳細を明らかにするために、まず血小板膜の流動性の不均一性の解明を試みた。実験は、蛍光偏光度法により、荷電の異るジフェニルヘキサトリエン誘導体を用いて行なった。その結果、血小板膜は、構成りん脂質の分布に関して非対象的であること、つまり酸性りん脂質が細胞質膜内層あるいは顆粒膜にのみ存在することばかりでなく、膜の流動性に関しても非対称的であることがわかった。すなわち、細胞質膜の外層は、内層あるいは顆粒膜外層に比べて流動性が低いことがわかった。不飽和脂肪酸は、この相対的に硬い脂肪質膜の外層の流動性を増大し、血小板機能を抑制していることが結論づけられた。今後は、さらに酵素活性の変化を導く流動性の増大に伴う膜蛋白質の動態変化をスピンラベル法等により明らかにしたい。
なお、この研究の遂行に際し、補助金により購入した位相差顕微鏡を用いて血小板数の測定を行ない、一定濃度の血小板懸濁液を調製した。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 北河修治、小谷一夫、亀谷富士夫: Biochimica et Biophysica Acta.

URL: 

Published: 1990-03-20   Modified: 2016-04-21  

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