1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63571027
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
岩鶴 素治 帝京大学, 薬学部, 教授 (50050448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 和 帝京大学, 薬学部, 助手 (50167798)
清水 澄 帝京大学, 薬学部, 助手 (80119586)
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Keywords | 徴分スペクトル / UV吸収 / パラベン / パラオキシ安息香酸メチル / 界面活性剤 / ラウリル硫酸ナトリウム / 波長シフト / FDAS法 |
Research Abstract |
保存剤であるパラベン類は単独で用いられることは少なく、二種類混合して用いられることが多い。本研究はこれらのパラベン類をモデル化合物として、分光学的に同時定量する方法を確立することを目的とした。パラベン類はUV領域に吸収を示すが、アルキル基の相違による極大波長の差は非常に小さく、二種類のパラベンの混合溶液の場合、通常の吸光度測定では両者の和として濃度は求められても、各々の濃度は確定できない。本法では上述の系にFDAS(First Derivative Absorption Spectrum)法^<1)>を適用し、パラベン類の混合比を求め、先の総濃度の値とから、各々の濃度を算出した。まず単独のパラベン水溶液のUV領域における吸収スペクトルを得、次いでこれを徴分することにより吸収極大波長を求めた。パラベンの溶液にcmc以上の濃度になるように界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)を添加すると、パラベンの一部はミセルに可溶化されることにより、吸収極大波長のシフトを生じる。このシフトの大きさが二成分のモル比の一次関数になることを、メチルパラベン-エチルパラベン、メチルパラベン-プロピルパラベンおよびエチルパラベン-プロピルパラベンの三つの系について確かめた。実験方法の確立の段階では、二成分の比率を変化させて、その各々の値が一直線上に乗ることを示す必要があるが、一旦方法が確立した後、混合系の吸光度の測定と、界面活性剤を添加後の極大波長のシフトの大きさを測定すれば、各々のパラベン類の濃度を計算により求めることができることを明らかにした。吸光度の測定には島津自記分光光度計UV2200を用い、電子冷熱式恒温セルホルダを装着して試料の温度を一定(30℃)に保った。試料の温度変化が徴分スペクトルのシフト度に及ぼす影響については目下検討中である。 1)Chem.Pharm.Bull.,36,4055(1988)
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