1988 Fiscal Year Annual Research Report
血小板活性化因子(PAF)の示す新しい生物活性の検索
Project/Area Number |
63571035
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
工藤 一郎 東京大学, 薬学部, 助教授 (30134612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 真郷 東京大学, 薬学部, 助手 (10185069)
井上 圭三 東京大学, 薬学部, 教授 (30072937)
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Keywords | 血小板活性化因子 / PAF / 骨髄細胞 / 分化 / DNA合成 / 殺キャンデイダ作用 / PAFアンタゴニスト |
Research Abstract |
モルモット骨髄細胞をPAF存在下に培養することによって,以下のPAFの示す新しい生理作用を見いだし,解析した。(1)PAF10^<-7>〜10^<-5>Mを含む培地で1〜3日間培養すると,細胞のDNA合成量が培養時間依存的に増強されることがわかった。PAFの鏡像異性体や,PAFの主要代謝産物と考えられるリゾPAFには,この作用は見られなかった。PAFのグリセロール2位に結合しているアセチル基の代わりにジメチルカルバモイル基を持つ,代謝に耐性な強力なPAFアゴニストを用いた場合には,より低用量(10^<-10>〜10^<-8>M)で同程度のDNA促進活性があった。PAF自体の効果が比較的弱い理由は,PAFが代謝されてしまうためと考えられる。これらの反応は,PAFの特異的アンタゴニストとされているCV6209やFR900452を培地に添加することによって完全に阻害された。以上のことから,PAFは,モルモット骨髄中に存在するある種の細胞上に存在する特異的な受容体に結合を介して,骨髄細胞の増殖を引き起こしているものと結論した。(2)PAF刺激した骨髄細胞のコンディションメディウムを,別のモルモット骨髄細胞の培養に添加すると,DNA合成量が増加した。コンディションメディウム中には,もはやPNFは残存しておらず,この促進活性は熱に不安定であり,ろ過膜を用いて濃縮可能であった。また,コンデイションメディウム存在下2日間培養した骨髄細胞には,強い抗微生物作用(抗キャンディダ作用)が誘導されていることがわかった。以上の結果から,PAFは,骨髄中に存在する細胞でのColony Stimulation Factor様のタンパク性因子の産生を促しているものと結論した。(3)モルモット骨髄細胞をカルシウムイオノフォアであるA23187存在下培養するとPAF産生することを見いだした。以上の結果は,PAFが骨髄中の未成熱血液細胞に作用することを示している。
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[Publications] 矢ノ下良平: J.Biochemistry. 103. 815-819 (1988)
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[Publications] 林秀敏: Lipids. (1988)
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[Publications] 加藤利幸: Biochem.Biophys.Res.Commun. (1988)
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[Publications] 工藤一郎: J.Lipid.Mediator.