1988 Fiscal Year Annual Research Report
DNA中のZ型-B型接合部の化学修飾による構造研究
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63571042
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
根岸 和雄 岡山大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (70116490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 真郷 東京大学, 薬学部, 助手 (10185069)
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Keywords | Z型DNA / モノクローナル抗体 / 過マンガン酸カリウム / 亜硫酸塩 / 高次構造 / 化学修飾 / 5-メチルシトシン / 閉環状プラスミド |
Research Abstract |
本年度は化学修飾の条件を検討することに重点を置いて研究を行った。 1.過マンガン酸カリウム処理では、従来行っていた中性-弱アルカリ性での反応よりも弱酸性での反応の方が有用と思われる結果が得られた。すなわち、Z型DNAを含むプラスミドPRW1001を種々の条件で処理し、線状DNAとしてのち、S1ヌクレアーゼ消化レゲル電気泳動による分析を行って修飾部位を決定した。その結果、PH4.3の酢酸緩衝液中で処理したものが最もB-Z接合部位特異的な修飾が検出された。過マンガン酸カリウムの濃度は0.5-1mMが最も良好な電気泳動後のバンドを与えた。DNA中の微量塩基5-メチルシトシンはチミンと同様に過マンガン酸カリウム処理より修飾を受けやすいことがわかっている。また、5-メチルシトシンはDNAをZ型に変化させやすくする点でも重要であるが、反応生成物は未だ同定されていない。そこで、5-メチルデオキシシチジンを過マンガン酸カリウム処理し、HPLGによる分取精製を行った。生成物は5種類以上あり、その構造決定を進めている。 2.亜硫酸塩を用いた研究では亜硫酸付加体に対する市販のモノクローナル抗体の利用を試みた。亜硫酸-メトキシアミン処理によりDNAの一本鎖に開いた部分が反応する場合、亜硫酸が攻撃する方向により2つのジアステレオマーの生成の可能性がある。そこでHPLCにより分離した2種の修飾ヌクレオシドの抗体との反応性を調べたところ、一方のジアステレオマーのみと特異的にモノクローナル抗体が反応することがわかった。さらに、それぞれのジアステレオマーを含むオリゴヌクレオチド(テトラマー)を合成し、その反応性を調べたところ、一方と特異的に反応することがわかった。そこで、この抗体はB-Z接合部の修飾の解析に応用することができるのではないかと思われれる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Negishi;K.Tamanoi;M.Ishii;M.Kawakami;Y.Yamashita;H.Hayatsu.: Journal of Bacteriolgy. 170. 5257-5262 (1988)
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[Publications] T.Bessho;K.Matsumoto;A.Nomura;H.Hayatsu;K.Negishi.: Journal of Molecular Biology. 206. (1989)